“へんがく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
扁額70.8%
匾額29.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
西岡未亡人の家にはそんなわけで、西岡医院開設当時に贈られた蒼海翁そうかいおうのあの雄勁ゆうけいな筆力を見せた大字の扁額へんがくを持ち伝えていた。
洋風の壁へかかっているのは、純日本風の扁額へんがくであった。墨痕淋漓匂うばかりに「紙鳶堂しえんどう」と三字書かれてあった。
柳営秘録かつえ蔵 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
府下ふか世田せた松陰神社しょういんじんじゃの鳥居前で道路が丁字形に分れている。分れた路を一、二町ほど行くと、茶畠を前にして勝園寺しょうえんじという匾額へんがくをかかげた朱塗しゅぬりの門が立っている。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「あの男だけです。」エルリングが指さしをする方を見ると、祭服を着けた司祭の肖像がたくの上に懸かっている。それより外には匾額へんがくのようなものは一つも懸けてないらしかった。
冬の王 (新字新仮名) / ハンス・ランド(著)