“ひょう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
35.2%
21.6%
18.3%
8.9%
2.8%
2.3%
1.9%
1.4%
1.4%
0.9%
(他:11)5.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
大隅は少しも油断せず、ドクトルがひょうのようにおどり懸ってくるのを警戒して、だんだんと戸棚の方に退いていった。
地球盗難 (新字新仮名) / 海野十三(著)
両腕の肩の下のところにはひょうだか獅子ししだかの頭がついていて、その開いた口から腕を吐き出した格好になっている。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
仮令思いがけない風、ひでり、水、ひょう、霜の天災を時に受くることがあっても、「エホバ与え、エホバ取り玉う」のである。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
名物のひょう その時はもう長く山上にとどまって居ったものですから余程寒くなりましたが、それをも打忘れたです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
に心からな回向えこうをささげている姿にみえる。また心から朝廷へも恭順きょうじゅんの意をひょうしている彼かに見える。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さてはいかなる医学士も、驚破すわという場合に望みては、さすがに懸念のなからんやと、予は同情をひょうしたりき。
外科室 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
兎にも角にもおぼえある武士ならん、いかに射るぞと見てあれば、かれは鏑矢かぶらやを取ってつがえ、よっ引いてひょうと放つ。
平家蟹 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
ゆらい遠国者の上洛ほど派手をかざって来るものといわれているのに、ひょうとして、一人で門を叩くなどはおかしい。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それを支那人の野郎ざるでしゃくってね、ペケだって、ひょうの目方から引いてしまうんだからたまりません。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
米俵が十数ひょうも神前にまれて、奉納者ほうのうしゃの名を書いた奉書紙ほうしょがみが下げてある。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
外国の力をりて政府を保存ほぞんせんとはかりたりとのひょうごときは、けっして甘受かんじゅせざるところならん。
かすみさんし、露をみ、ひんし、こうひょうして、死に至って悔いぬ。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
必死の声をしぼっているようでもあり、またどこかひょうきんな調子にも聞えないではない。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ひょうげた男じゃろ。こんなところへ訪ねて来おった。これはわたしと同じ村の生れでな、古馴染ふるなじみの男じゃ。どこぞへ置いて、いたわってやってくれ」
茶漬三略 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
みちすがらある森の木陰をよぎりしに、忽ち生茂おいしげりたる木立のうちより、ひょうト音して飛び来る矢あり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
松平大島守みなもと何某なにがし、矢の根にしるして、例の菊綴きくとじあおい紋服もんぷく、きり/\と絞つて、ひょうたが、射た、が。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
冬(フユ)は「ゆ」に通じ「ひょう」に通じ χιών(雪)にも通じる。
言葉の不思議 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
それは昭和七年三月二十、二十一日の連休を利用して、但馬と因幡の国境につらなるひょうノ山—扇ノ山の尾根を縦走中、吹雪のためにあやうく凍死せんとしたときのことであった。
単独行 (新字新仮名) / 加藤文太郎(著)
ひょう!」
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
川柳に「三たび口説くどいて聴かれず身退く振られ客」とあるごとし、『爾雅』に虎の浅毛なるを山貓さんみょう、白いのをかん、黒きをいく、虎に似て五指のをちゅ、虎に似て真でないをひょう、虎に似て角あるをというと言って、むつかしい文字ばかりならべ居る。
長者すなわち作人どもに命じ一切穀類を植えしむると数時間の後ことごとくひょうとなった。
その大きさひょうのごとし。
譬えばスナワチということばにもそくの字があり、ないの字があり、そくの字があり、便べんの字があり、ヨルという詞にもいんの字があり、の字があり、えんの字があり、ひょうの字があり、きょの字があり、の字がある。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
まかりまちがったところで、それはひょうを踏みはずし、そくを踏み落して、住職や、有志家連をして、手に汗を握らしむる程度のものに相違ないから、その点の安心が、米友をして仮睡うたたねの夢に導いたと見らるべきです。
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
他に玉幡ぎょくばんをかける高座二基、高さ三丈三尺のひょう一基などが、恐らく舞台の近くに設けられたらしい。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
そこで幕府の歩兵を将棋の歩になぞらえてひょうといい、それが転じて豹になったのです。
「ああ、よくわかりました。奥さんも、御心配でしょう。御主人の御本復ごほんぷくを祈ります。じゃあ、ロンドンの中国大使館へは、私の方から取調べひょうを送って置きますから」
英本土上陸戦の前夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
この世の終りのような物凄い颷風ひょうだった。
海豹島 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
まさに、カリブ海の颶風ハリケーンの比ではないのだ。それは、ひょうという疾風の形容より、むしろもの凄い地鳴りといったほうがいいだろう。
人外魔境:03 天母峰 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
同乗するもの八人、程、しょう、楊、牛、ひょう、宋、史なり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「ははあ、つまり三軍の“後ろ目付”でございますな。二た股者くさい大将は黒表ひょうに上げて、鎌倉へご内報におよぶわけでございまするか。なるほど、なるほど」
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)