“びょう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
34.1%
21.3%
19.5%
12.2%
4.9%
1.8%
1.2%
1.2%
八分一秒0.6%
0.6%
0.6%
0.6%
眇眇0.6%
0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
新館の上層たる望楼は、屋根裏の一種の大広間で、三重の鉄格子てつごうしがはめてあり、大びょうをうちつけた二重鉄板のとびらでしめ切ってあった。
大陸のかすみびょうとして果てなく、空ゆく飛鴻ひこうはこれを知らなくても、何で梁山泊の油断なき耳目じもくがこの情報をつかまずにいようやである。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この島のものは実に見厭みあきません。もとより古い城址しろあとや寺院やびょうや神社や、それらの建物には、忘れ得ぬ数々のものがあります。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
しかし、後代の我々が史記しきの作者として知っている司馬遷は大きな名前だが、当時の太史令たいしれい司馬遷はびょうたる一文筆のにすぎない。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
コウノトリに二、三びょうおくれて、アッカもグリンミンゲじょうのコウノトリのにつきました。見れば、その巣は大きくて、りっぱなものです。
そして車ののあいだから、おくびょうそうにこちらをうかがっている犬に、むちをふりまわしてみせた。
が、彼の屋敷内の数多い倉の一つにも一人の人柱は用ゐてはゐない。一日に何こくびょうき出す穀倉のきねうすの一つでも、何十人のなかの誰の指一本でも搗きつぶしたことがあらうか……何にもない。
老主の一時期 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
カバラ学者すなわちカバリストの接神論セオソフィは、えすらあるのびょうである、ヤコブ家長の十二人の子から流れ出ている創世説コスモゴニイに、その根拠をおく。つまり手相学は、占星学に負うところ多いのである。
ヤトラカン・サミ博士の椅子 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
けれども窓の外では、いっぱいに咲いた白百合しらゆりが、十本ばかり息もつけないあらしの中に、その稲妻いなずま八分一秒びょうを、まるでかがやいてじっと立っていたのです。
ガドルフの百合 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
それが乱れ、まじり、重なって苔の上を照らすから、林の中に居るものは琥珀こはくびょうめぐらして間接に太陽の光りを浴びる心地である。ウィリアムは醒めて苦しく、夢に落付くという容子ようすに見える。
幻影の盾 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
下総印旛いんば郡永治村大字浦幡新田字榎びょう
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
見るかぎりなに一つ眼を遮るものとてもないびょう々たる海の面に、颱風の名残りの雲が影を落しながら動いていた。聞えるものは波の音ばかりで、いい知れぬ孤独を感じさせる情景だった。
ノア (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
眇眇びょうたるうつせみの一身を歩ませ、起るところなく、終るところなく、時間の浪路を、今日も、昨日も、明日も、明後日も、歩み歩み歩ませられて尽くることなき、旅路になやむ人にとっては
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
其法は夜中を以て両炬りょうきょもやし、人の形状気色きしょくて、参するに生年月日げつじつを以てするに、百に一びょう無く、元末より既に名を天下にせたり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)