びょう)” の例文
これと云う句切りもなく自然じねんほそりて、いつの間にか消えるべき現象には、われもまたびょうを縮め、ふんいて、心細さの細さが細る。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
コウノトリに二、三びょうおくれて、アッカもグリンミンゲじょうのコウノトリのにつきました。見れば、その巣は大きくて、りっぱなものです。
ほんの十分か十五分のいのちです。ただ三びょうのときさえあります。ところがあなたにかがやく七色はいつまでもわりません
めくらぶどうと虹 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「しかたがない、七分半だけ待ってやる。だがそれから、一びょうもおくれることはならないぞ。」と、青ひげはいいました。
青ひげ (新字新仮名) / シャルル・ペロー(著)
吾輩は君、地球と同じに日夜にちや動いて居るんだぜ。よしかね。吾輩は十五びょうで一回転する。ソレ一時間に二百四十回転。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
それは、ふくろうの時計どけいで、びょうきざむごとに、ふくろうの眼球めだましろくなったり、くろくなったりしたのです。
角笛吹く子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
やっぱり、この構えだけは破れない——と見えたのは、ホンの二、三びょうでありました。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
わたくしでさえ、ただ三びょうひらめくときも、半時はんとき空にかかるときもいつもおんなじよろこびです
めくらぶどうと虹 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
また、このの前の、うつくしいおか野原のはらも、みな一びょうずつけずられたりくずれたりしています。
めくらぶどうと虹 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
時計屋とけいやの店には明るくネオンとうがついて、一びょうごとに石でこさえたふくろうの赤いが、くるっくるっとうごいたり、いろいろな宝石ほうせきが海のような色をしたあつ硝子ガラスばんって
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)