“屏”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
38.5%
しりぞ19.2%
こら7.7%
へい7.7%
ころ3.8%
3.8%
つま3.8%
3.8%
とびら3.8%
ひそ3.8%
びょう3.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
韃靼だつたん人の槍よりも長い釣竿を握つて、息をめて湿り勝な岩の上に坐り、一尾の魚も取らずに、平気で一日も居るのは、耐忍力ではありませんか。
新浦島 (新字旧仮名) / ワシントン・アーヴィング(著)
斉黄の輩の為さんとするところかくの如くなれば、燕王等手を袖にし息をしりぞくるもまた削奪罪責をまぬかれざらんとす。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
と止せばいのに早四郎はお竹の寝床の中で息をこらして居りました。しばらつとそっ抜足ぬきあしをして廊下をみしり/\と来る者があります。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
池の左右に植わっているのは、二株ふたかぶとも垂糸檜すいしかいに違いない。それからまたしょうに寄せては、翠柏すいはくへいが結んである。その下にあるのは天工のように、石を積んだ築山つきやまである。
奇遇 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
さてはお側近く勤むる侍と奥を勤めるお女中と密通をいたしてるのではないかと存じましたから、あと退さがって息をころして、そっと見て居りますと、の女は四辺あたりをきょろ/\見廻しまして声を潜め
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
江戸開城かいじょうの後、予は骸骨がいこつい、しばらく先生とたもとわかち、あと武州ぶしゅう府中ふちゅうの辺にけ居るに、先生は間断かんだんなく慰問いもんせられたり。
ただ都会のただ中では息がつまつた。人間の重さで圧しつぶされるのを感じた。其処に置かれるには彼はあまりに鋭敏な機械だ、其処が彼をいやが上にも鋭敏にする。
かのロダンの大理石塊を前にしてまさにのみふるわんとして息をめ目を凝らすがごとくに、ベルグソンは与えられたる「人性」を最高の傑作たらしめんがためにじっとライフを見つめているのである。
愛と認識との出発 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
二人は用意とゝのひたる旨を答へ、さらばとて男神立ち上らんとし給ふ時、白銀のとびら風に吹かるゝ如く開きて、やがて女神は身を現し給ひぬ。やゝしばし樣子見給ひし後歩み寄りて男神に向ひ
花枕 (旧字旧仮名) / 正岡子規(著)
と思うと、怒れる神のひたいの如く最早真闇まっくらに真黒になって居る。妻児さいじの顔は土色になった。草木も人も息をひそめたかの様に、一切の物音は絶えた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
それが乱れ、まじり、重なって苔の上を照らすから、林の中に居るものは琥珀こはくびょうめぐらして間接に太陽の光りを浴びる心地である。ウィリアムは醒めて苦しく、夢に落付くという容子ようすに見える。
幻影の盾 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)