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屏
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つ
ふりがな文庫
“
屏
(
つ
)” の例文
韃靼
(
だつたん
)
人の槍よりも長い釣竿を握つて、息を
屏
(
つ
)
めて湿り勝な岩の上に坐り、一尾の魚も取らずに、平気で一日も居るのは、耐忍力ではありませんか。
新浦島
(新字旧仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
見物は少し勝手が違うのに気が附く。対話には退屈しながら、期待の情に制せられて、息を
屏
(
つ
)
めて聞いているのである。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
私は
暫
(
しばら
)
く息を
屏
(
つ
)
めて
是等
(
これら
)
の文句を読んだが、どうも現実の出来事のやうな気がしない。併し私は急いで
其処
(
そこ
)
を
出
(
い
)
で、新しく間借しようとする家へ行つた。
日本大地震
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
群集
(
ぐんじゆ
)
はあぶなさに息を
屏
(
つ
)
めてゐる。ドルフは瞳を定めて河を見卸した。松明が血を滴らせてゐる陰険な急流である。其時ドルフは「死」と目を見合せたやうな気がした。
聖ニコラウスの夜
(新字旧仮名)
/
カミーユ・ルモンニエー
(著)
杖持ちたる男
冷笑
(
あざわら
)
ひて、聖母
爭
(
いか
)
でか猶太の
狗
(
いぬ
)
を顧み給はん、
疾
(
と
)
く跳り超えよといひつゝいよ/\翁に迫る程に、群衆は次第に狹き
圈
(
わ
)
を畫して、翁の
爲
(
せ
)
んやうを見んものをと、息を
屏
(
つ
)
めて覗ひ居たり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
▼ もっと見る
わたくしは息を
屏
(
つ
)
めて鐶に噛り付いてゐました。そこで、も少しで窒息しさうになりましたので、わたくしは手を放さずに膝を衝いて起き上がつて見ました。それでやつと頭だけが水の外に出ました。
うづしほ
(新字旧仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
岡田は腕木に
搦
(
から
)
んでいた手を放して飛び降りた。女達はこの時まで一同息を
屏
(
つ
)
めて見ていたが、二三人はここまで見て裁縫の師匠の
家
(
うち
)
に這入った。
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
その童の両の足の活溌な運動も見えなくなつて、いよいよ水中ふかく潜つて行つたことを観念すると、こんどはみんな息を
屏
(
つ
)
めて、小さい心臓の鼓動をせはしくしてそこの水面を見てゐた。
念珠集
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
お花は息を
屏
(
つ
)
めてお松の跡に附いて歩いているが、頭に血が昇って、自分の耳の中でいろいろな音がする。それでいて、ひゅうひゅうと云う音だけは矢張際立って聞えるのである。
心中
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
僕は息を
屏
(
つ
)
めていた。
暫
(
しばら
)
くして足音は部屋を出て、梯子を降りて行った。
ヰタ・セクスアリス
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
屏
漢検1級
部首:⼫
9画
“屏”を含む語句
金屏
屏風
金屏風
屏風岩
硯屏
銀屏
枕屏風
小屏風
藩屏
袖屏風
屏居
大屏風
銀屏風
屏風倒
屏東
逆屏風
屏風越
屏風巌
屏風開
破屏風
...