“さ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:
語句割合
8.1%
7.4%
5.4%
4.6%
4.6%
4.5%
4.2%
3.9%
3.6%
3.5%
(他:2454)50.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私が夢からめきらぬような顔付をしているとて、にやにや笑ったが、愛想あいそよく食後の葉巻煙草などをすすめて呉れた。
赤耀館事件の真相 (新字新仮名) / 海野十三(著)
マア坊の夢は悪い夢で、早く忘れてしまいたいが、竹さんの夢は、もしこれが夢であったら、永遠にめずにいてくれるといい。
パンドラの匣 (新字新仮名) / 太宰治(著)
そういいながらだんだん眼がえて来たと思われて、寝床の上に起き直ってむやみと長煙管ながぎせるで灰吹きを叩いていた。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
おもふと、むらさきも、萌黄もえぎも、そでいろぱつえて、姿すがた其處此處そここゝ
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
この辺りにはついぞ見かけぬ三人の若い男女が、赤外線写真のような裾野道をいくつかの荷物をげながら辿り辿りやって来た。
闖入者 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
セルの単衣ひとへしたに襦袢をかさねて、に大きな白い百合ゆりはなを三本ばかりげてゐた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「痛快だ。風の飛んで行く足跡が草の上に見える。あれを見たまえ」と圭さんが幾重いくえとなく起伏する青い草の海をす。
二百十日 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
英国の俚諺りげんに、三月は獅子のように来り、子羊のごとく去るというは、初め厳しく冷ゆるが、末には温かになるをす。
この湊屋の門口で、さわやかに調子を合わした。……その声、白きにじのごとく、と来て、お三重の姿にした。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さなければ、かぜかずに、灰色はいいろくもが、はやしうえにじっとしていました。
雪の降った日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あしひきのやまさへひかはなりぬるごときおほきみかも 〔巻三・四七七〕 大伴家持
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
「ああ、りんどうの花がいている。もうすっかり秋だねえ」カムパネルラが、まどの外をゆびさしていました。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
老人の小吏は、磨ぎすました出刃を逆手さかてに持つと、獣の肉をでもくように、死体の胸をずぶずぶと切り開いていった。
蘭学事始 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
糊口ここうの労苦に追われて、クリストフのためには日に一時間しかけなかったし、それさえ無理なことがしばしばだった。
んぬる頃、日本長崎の「さんた・るちや」と申す「えけれしや」(寺院)に、「ろおれんぞ」と申すこの国の少年がござつた。
奉教人の死 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
そうして余の頭をかすめてる心の波紋はもんは、したがっておこるかと思えばしたがって消えてしまった。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
この女は滝の白糸なり。渠らの仲間は便宜上旅籠はたごを取らずして、小屋を家とせるものすくなからず。白糸もなり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
うですか。』と云つたが、フン、宅とは何だい、俺の前でかゝあぶらなくたつて、貴樣みたいな者に手をつけるもんか。
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
それからその連中にかこまれて、縄にかかった男が一人、所々けた水干を着て烏帽子えぼしもかぶらず、曳かれて参ります。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
惣「極製ごくせいの水飴ゆえ金属かなものではお取りにくうございます、矢張やっぱり木をいた箸が宜しいそうで」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
めた結果としてそう思うんです」と答えた時の私には充分の自信があった。その自信を先生はうけがってくれなかった。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
うわさによれば、坐忘ざぼう先生は常に坐禅ざぜんを組んだまま眠り続け、五十日に一度目をまされるだけだという。
悟浄出世 (新字新仮名) / 中島敦(著)
少女は耳の附け根まであかくなった顔をびた銀盆で半分かくし、瞳の茶色なおおきい眼を更におおきくして彼をにらんだ。
彼は昔の彼ならず (新字新仮名) / 太宰治(著)
「もう一つは、そこにびた五寸釘ごすんくぎを立てて置きましたが、路面に垂直に、小さいあないていますよ」
疑問の金塊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そのおびからこしのまはりには、十七本じゆうしちほんきんつくつたものをぶらげてをり
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
おくさま、ただいま。」と、きよは、おうちかえると、おかあさんのまえあたまげました。
雪の降った日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
も候わず、古き上手どもの書きて候おそくずの絵などを御覧も候え、その物の寸法は分に過ぎて、大に書きて候云々と言ったので
この一事で私もひそかに安心して、れならば江戸の学者もまで恐れることはないと思うたことがある。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
時はちょうど五月の初めで、おきよさんという十五、六の娘が、菖蒲しょうぶ花瓶かびんしていたのを記憶している。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「佐殿。お目なぐさみにと、馬洗い池のそばに咲いていたのを、一枝、たずさえて帰りました。どこぞへして置かれませ」
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ほとんど、五分ごふん六分ろつぷんきに搖返ゆりかへ地震ぢしんおそれ、また
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
極度の白きをわざとけて、あたたかみのある淡黄たんこうに、奥床おくゆかしくもみずからを卑下ひげしている。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
雜木林ざふきばやしあひだにはまたすゝき硬直かうちよくそらさうとしてつ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「ああ、そうか。とにかく高圧電気を神経系統しんけいけいとうへぴりっとすと、とたんになおっちまうんじゃないかな」
霊魂第十号の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
灯火あかりはいらなかった。ともしてもすぐ風に消えるであろうし、やがて宵月が、海を離れて、彼の顔までして来た。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
朝々のきわめて短い時間の一刻いっときだけ。――もし晴天ならば、その高窓から四角い太陽の光が獄の底へ斜めにし込む。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「はつはつはつ、みづなかで一生懸命しよけんめいじうげたところかつたね‥‥」
一兵卒と銃 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
と、まっ先の一寸法師いっすんぼうしが、くるりとうしろへ向きなおり、赤いトルコぼう片手かたてに取ってし上げ、
曲馬団の「トッテンカン」 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
彼女かのぢよはレースいと編物あみものなかいろめたをつと寫眞しやしんながめた。
(旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
それは錦襴地きんらんじの色のめた紙入であるが、開けてみると長方形の小さな鏡がんであるのが目につく。
今朝けた佐倉炭さくらずみは白くなって、薩摩五徳さつまごとくけた鉄瓶てつびんがほとんどめている。
文鳥 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
僕のめ果てた魂は、己の生命の血、そのものをあえて賭けずにおられなかったのではあるまいか。次のように書いてみよう。
二十歳のエチュード (新字新仮名) / 原口統三(著)
橋本といっしょにこの門のそばにある小さな店に筆と墨を買いに行った折の事も、びた経験の一つとしてよく覚えている。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それさえあるに、やがておとずれていた一堂の玄関もまたひどくびていて、いくど呼んでみてもいらえはなかった。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そしてやっぱり一人息子にぞっこんな主人逸作への良き見舞品となる息子の手紙は、いつも彼女は自分がきに破るのだった。
かの女の朝 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
ずんずんきへってるきされましたので、わたくしだまってそのあといてまいりますと
主客の間には、幾たびか茶がつぎ代えられ、そのたび大助の嫁らしい女性が見えて、何くれとはなく気をくばって退がってゆく。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
光秀は駒を退げた。代って、一族の明智光忠が、四方田しほうでん政孝や妻木主計かずえの宿将を左右に引いて前へすすみ、
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、お三輪が湯をしに来合わせて、特に婦人客おんなきゃく背後うしろへ来て、きまりの悪そうに手をいた。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
第九十二 ジャミヤプデン はカスタープデンの通りに玉子の黄身二つへ大匙二杯の砂糖を煉り混ぜて牛乳一合をします。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
奉天ほうてんから北京ペキンへ来る途中、寝台車の南京虫なんきんむしされた時のほかはいつも微笑を浮かべている。
馬の脚 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
――「蝮蛇ふくだ手をせば壮士おのが腕を断つ」それを声をたてて云い、彼はふと自分の腕を見まわした。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
人々は、途中気がかりにして来た予感を眼に見せられた心地であった。血の香に吹かれたおもてッと、そよがせ合って。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
っと短いマントに短剣を吊って、素早く胡瓜売りの手車の出ている角を曲ったのは、舞踊で世界的名声のあるカザークの若者だ。
鳥島と裏浜とはあひること僅に数町にすぎず、そのあひだ漣〓さざなみつねに穏かなり、かつ遠浅なれば最も海水浴に適す。
松浦あがた (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
此理このりを知らざる者は海をる事遠き所に於て鹹水貝殼の積聚せきしうするを見れば頗る奇異きゐの思ひを作すべし。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
篠田はつて聖書を読み、祈祷きたうを捧げ、今宵こよひの珍客なる少年少女にむかつて勧話の口を開けり、
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
と独りで承知して帰りました。てお話は二つになりまして、川崎の本藤にては山三郎半治小かね馬作の四人が一つの座敷で、
彼女は白布で体を拭いた。ポッと紅味がして来た。瑪瑙めのうの仙女像が出来上がった。その仙女像は半透明であった。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
曙の色は林の中まで追いついて、木膠や蔦の紅葉の一枚一枚に透き徹る明る味をして、朝の空気は、醒めるように凛烈りんれつとなった。
雪中富士登山記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
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