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注
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さ
ふりがな文庫
“
注
(
さ
)” の例文
別に例の通りバターでメリケン粉をいためて牛乳五
勺
(
しゃく
)
と今の湯煮汁五勺とを
注
(
さ
)
して塩胡椒で味をつけてドロドロした
掛汁
(
かけじる
)
を
拵
(
こしら
)
えます。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
毒を
注
(
さ
)
したところだけ、きれいにさき
捨
(
す
)
てて、毒のない部分をさんざん食いあらしていたのです。一
服
(
ぷく
)
盛
(
も
)
ろうたってあいつにゃ
駄目
(
だめ
)
です。
動物物語 狼の王ロボ
(新字新仮名)
/
アーネスト・トンプソン・シートン
(著)
藥でも
注
(
さ
)
されたらしく、物に
怯
(
おび
)
えたやうに、
逆
(
のぼ
)
せるばかりに泣き立てる赤ん坊をすかしながら、外の方へ出て行くものもあつた。
赤い鳥
(旧字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
「はあ、何か御用で」と主人も負けずに
済
(
す
)
ます。「御承知の通り、文学美術が好きなものですから……」「結構で」と油を
注
(
さ
)
す。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「蒼味の
注
(
さ
)
した常の頬に、心持の好い程薄赤い血を引き寄せて、
肌理
(
きめ
)
の細かい皮膚に手觸を挑むやうな柔らかさを見せてゐた」
知られざる漱石
(旧字旧仮名)
/
小宮豊隆
(著)
▼ もっと見る
若し始まったら、今度はまさかピクニックもないでしょうし、空襲とかち合ったら、私がビタカンフル位
注
(
さ
)
して置いて先生を呼びましょう。
獄中への手紙:09 一九四二年(昭和十七年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
いつもならばまっ
赤
(
か
)
に充血して、精力に
充
(
み
)
ち満ちて眠りながら働いているように見える倉地も、その朝は目の周囲に死色をさえ
注
(
さ
)
していた。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
鉄板の上で酒を
注
(
さ
)
していたので、時々酒が熱した鉄の上にこぼれ、ジジと焦燥的な音を立てた。重苦しい空気である。それを払いのけるように
如何なる星の下に
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
注
(
さ
)
すあと、注すあと、
割醤油
(
わりした
)
はもう
空
(
から
)
で、
葱
(
ねぎ
)
がじりじり焦げつくのに、
白滝
(
しらたき
)
は水気を去らず、
生豆府
(
なまどうふ
)
が
堤防
(
どて
)
を築き、
渠
(
きょ
)
なって湯至るの観がある。
白花の朝顔
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「朝消し忘れた行灯が、油も
注
(
さ
)
さずに
申刻
(
ななつ
)
(四時)近くまで点いている道理はありません。変じゃありませんか、親分」
銭形平次捕物控:115 二階の娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
幽
(
かす
)
かに
顫
(
ふる
)
わせている様子と、頬に青年のような血の色が、華やかに
注
(
さ
)
している様子が、亢奮と感激と思慕と憧憬とに、充たされた顔をなしていた。
十二神貝十郎手柄話
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
目の四方に青い
隈
(
くま
)
を
注
(
さ
)
したり、一方の
頬
(
ほ
)
に黒い
頬黒
(
ほくろ
)
を
拵
(
こしら
)
へたりする女であつた。おれは又この女どもを人の
情婦
(
いろをんな
)
になつて囲はれて居るのかとも思つた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
体質の弱い人間が
生身
(
なまみ
)
に墨や朱を
注
(
さ
)
すと、生命にかゝわると昔からきまっているんだから、どうにも仕様がない。
三浦老人昔話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
彼等
(
かれら
)
はそれから
茶碗
(
ちやわん
)
も
箸
(
はし
)
もべたりと
筵
(
むしろ
)
の
上
(
うへ
)
へ
置
(
お
)
いて、
單純
(
たんじゆん
)
に
水
(
みづ
)
へ
醤油
(
しようゆ
)
を
注
(
さ
)
した
液汁
(
したぢ
)
に
浸
(
ひた
)
して
騷々敷
(
さう/″\しく
)
饂飩
(
うどん
)
を
啜
(
すゝ
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
と若い医者は言つて、瞼をひつくり返すと、二三滴、薬を
注
(
さ
)
した。そして四五日休みなさいよと言つてくれた。
外に出た友
(新字旧仮名)
/
北条民雄
(著)
二杯酢の作り方は、酢六勺にだし四勺、すなわち四分六にぼんやりやわらげた酢を作り、それに薄口しょうゆを四勺ぐらい入れ、露しょうがを
注
(
さ
)
して供する。
鮑の宿借り作り
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
癌
(
がん
)
はときどき激しく痛み出した。服用の鎮痛剤ぐらいでは利かなかった。彼は医者に
強請
(
せが
)
んで
麻痺薬
(
まひやく
)
を注射して貰う。身体が弱るからとてなかなか
注
(
さ
)
して
呉
(
く
)
れない。
食魔
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
圭子はよく彼女を
捉
(
つかま
)
へて、
注
(
さ
)
し
薬
(
ぐすり
)
をたらして
滲
(
し
)
みこませるために、
目蓋
(
まぶた
)
を
剥
(
む
)
きかへして、何分かのあひだ抑へてゐるのであつたが、片目の
目脂
(
めやに
)
が少し減つたと思ふと
チビの魂
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
駒井様で所望する自分の身の上をお銀様が途中で、水を
注
(
さ
)
そうとするような仕打がわかりません。
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
見さかいというものを知らぬ女だから、別に毒を
注
(
さ
)
すとも思わずに、無意識にそういったかも知れない。しかしかれはもはや女のために弁解してやる必要を少しも感じない。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
手酌で——むッつりと、
酌
(
つ
)
げとも云わず、
注
(
さ
)
そうかとも云わない。唯チビリ、チビリと。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
もう枯れ枯れに
萎
(
しな
)
び返って、葉の
尖
(
さき
)
はインキを
注
(
さ
)
したように、黒くなって、縮れている——で、夏ならば緑一色のちょんぼりした林が、今朝は二、三倍も広くなったような気がする。
雪中富士登山記
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
金之助は急須に湯を
注
(
さ
)
したが、茶はもう出流れているので、手を叩いて女中を呼ぶ。
深川女房
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
新らしく銚子を持ってくる女中が、肉の鍋に何度も割下を
注
(
さ
)
していってくれた。
反抗
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
と何処の人だか乃公に葡萄酒を
注
(
さ
)
した。乃公はコップを高く捧げて
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
あの爺さんに似たり寄つたりの
悪戯者
(
いたづらもの
)
だと見えて、象が昼寝でもしてゐると、あの長い鼻を伝つて、ちよろちよろと
背
(
せな
)
に駈けのぼり、
錐
(
きり
)
のやうな鋭い爪でもつて皮に傷をつけ、そこから毒を
注
(
さ
)
して
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
た、た、た、た、と
注
(
さ
)
す水のおと。
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
余程強い薬を
注
(
さ
)
されたらしい。
地図にない島
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
彼女は磨き歯車に油を
注
(
さ
)
す
保護職工
(新字新仮名)
/
森竹夫
(著)
芥子ソースはフライにした時出た汁へメリケン粉を入れてよくいためてスープを加えて溶き芥子を入れて酢を少し
注
(
さ
)
したものです。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
平次は木戸の滑らかさが、蝶番に油を
注
(
さ
)
してあるためだとわかると、鼻を持って行って、クンクンと
嗅
(
か
)
いだりしました。
銭形平次捕物控:120 六軒長屋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
湯上りの、ぱっと白い、派手な、品の
可
(
い
)
い顔を、ほんのり
薄紅
(
うすべに
)
の
注
(
さ
)
した美しい
耳許
(
みみもと
)
の見えるまで、
人可懐
(
ひとなつッこ
)
く斜めにして
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「君、あれは本当に校長が
悪
(
にく
)
らしくって排斥するのか、
他
(
ほか
)
に損得問題があって排斥するのか知ってますか」と云いながら鉄瓶の湯を紅茶
茶碗
(
ぢゃわん
)
の中へ
注
(
さ
)
した。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかしその涙は、さっき、父親や、自分の家の不幸のために泣いた涙とは違い、歓喜と希望と愛情とに充ちた涙であった。栞の頬は夜眼にも
著
(
しる
)
く赤味
注
(
さ
)
していた。
血曼陀羅紙帳武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
彼等
(
かれら
)
は
當日
(
たうじつ
)
の
前夜
(
ぜんや
)
に
口見
(
くちみ
)
だといつて
近隣
(
きんりん
)
の
者等
(
ものら
)
が
寄
(
よ
)
つてたかつて、
鍋
(
なべ
)
で
幾杯
(
いくはい
)
となく
沸
(
わか
)
しては
飮
(
の
)
むので
夥
(
したゝ
)
か
減
(
へ
)
らして
畢
(
しま
)
つて、それへ一
杯
(
ぱい
)
に
水
(
みづ
)
を
注
(
さ
)
して
置
(
お
)
くのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「これは家の山羊の乳ですよ。」と、おくみに仰りながら、青木さんは、手のついた、黒ずんだ色の、変つた面白い小さい壺から、三人の紅茶へ乳をお
注
(
さ
)
しになる。
桑の実
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
それに
若
(
も
)
し会つて、自分の「夢」が
毀
(
こは
)
れるやうだと
遣
(
や
)
り切れないといふロマンティシズムが、私の会ひたくて燃え上がる心に水を
注
(
さ
)
した。私は煮え切らない返事をした。
吉右衛門の第一印象
(新字旧仮名)
/
小宮豊隆
(著)
銚子を取り上げて、私に
注
(
さ
)
してくれた。白い、
肌理
(
きめ
)
のこまかい手で、指のつけ根にえくぼが浮ぶ。
如何なる星の下に
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
こんな
孱弱
(
かよわ
)
いからだに朱や墨を
注
(
さ
)
すのは、毒を注すようなものだと思ったが、当人は死んでも構わないと駄々を捏ねているのですから、この上にもうなんとも云いようがない。
三浦老人昔話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
毎日家で薬を
注
(
さ
)
すことになつてゐたが、思ひのほか費用がかゝるので、少し遠かつたけれど、圭子は最初蓮見一家のかゝりつけへ行つたが、更に神田の方の病院へつれて行つた。
チビの魂
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
野や山坂のきらいなく押し通る小型の荷車だから、わざと歯の心棒には油を
注
(
さ
)
さない。車輪が廻るにつれて、キイキイと
牝鶏
(
めんどり
)
が啼くような
軋
(
きし
)
み声をたてるので鶏公車という名があった。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鉄瓶へ水を
注
(
さ
)
し足してから、
爽
(
さわ
)
やかな足取りで出て行った。
河明り
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
瞼
(
まぶた
)
に一杯眼薬を
注
(
さ
)
し込まずには置かない。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
男と女の間に水を
注
(
さ
)
したがると申すこと
大菩薩峠:18 安房の国の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「時」の動脈に
注
(
さ
)
しながら
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
流れるやうな
朱
(
しゆ
)
を
注
(
さ
)
した
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
菓物
(
くだもの
)
のシロップを沢山
拵
(
こしら
)
えておいてそれを
湯冷
(
ゆざま
)
しの水へ
注
(
さ
)
して
壜
(
びん
)
へ入れて井戸の中か氷で冷しておけば美味しい飲料が何でも出来ます。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
昔のブランスィックにはこの指定があった。しかしこの頃の機械には指定どころか、油を
注
(
さ
)
す
孔
(
あな
)
さえないのがある。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
「君、あれは本当に校長が
悪
(
にく
)
らしくつて排斥するのか、
他
(
ほか
)
に
損得
(
そんとく
)
問題があつて排斥するのか知つてますか」と云ひながら鉄瓶の湯を紅茶々碗の
中
(
なか
)
へ
注
(
さ
)
した。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
意味ありげな
体
(
てい
)
なり。茶碗を洗え、土瓶に湯を
注
(
さ
)
せ、では無さそうな処から、小使もその
気構
(
きがまえ
)
で、
卓子
(
テエブル
)
の
角
(
かど
)
へ進んで、太い眉をもじゃもじゃと動かしながら
朱日記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“注”の意味
《名詞》
(チュウ、註の書き換え)注釈の略。
(出典:Wiktionary)
“注(
注釈
)”の解説
注釈(註釈、ちゅうしゃく、en: annotation)または注解(註解、ちゅうかい)とは、文章や専門用語について補足・説明・解説するための文書や語句。
本項では、古典や経典における注釈書(ちゅうしゃくしょ、en: commentary)についても扱う。
(出典:Wikipedia)
注
常用漢字
小3
部首:⽔
8画
“注”を含む語句
注意
不注意
水注
注意書
注視
注射
注連縄
注文
集注
御注意
注連
注進
注意深
注連繩
注連飾
問注所
傾注
奔注
御注進
御注
...