“生身”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なまみ53.5%
いきみ28.2%
しょうじん8.5%
しやうじん2.8%
しょうしん2.8%
なま1.4%
1.4%
ナマミ1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かんがへてりやあ生身なまみをぐつ/\煮着につけたのだ、尾頭をかしらのあるものの死骸しがいだとおもふと、氣味きみわるくツてべられねえツて、左樣さういふんだ。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
生身いきみでは渡られない。霊魂たましいだけなら乗れようものを。あの、樹立こだちに包まれた木戸きどの中には、その人が、と足を爪立つまだったりなんぞして。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
風大ふうだいを揺り落し、その次は火大かだい、その次は水大すいだい、最後に地大ちだいを揺り動かして、かくて夜明けまでには本来の大地に、生身しょうじん心耳しんにをこすりつけて
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
老いたる法師 あの物狂ひに出合つてから、もう今日は七日目なぬかめぢや。何でも生身しやうじんの阿弥陀仏に、御眼にかかるなぞと云うてゐたが。
往生絵巻 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「これは、雪之丞、舞台を見たが、なるほど、男ながらに、女そのまま——生身しょうしん変性へんじょう女子を眺めて、何とも驚き入りましたぞ」
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
石炭をいて臭い煙を吐く蒸汽船に、たとえば茶のような商品は、いかになんでも、積むことができない。そのほか果実くだもの——その他およそ「生身なまの貨物」だけは、いつまでも帆船のものである。
黒船前後 (新字新仮名) / 服部之総(著)
この爲めに、毎晩足がほてつて來ると、氣が狂ふほど痛がゆいのを我慢したことや、ふくれて、生身が出て、固くなつてゐる爪先つまさきを毎朝の靴中に押込むときの痛さを、私はよく覺えてゐる。
絶対とか永遠不変の真理というものは生身ナマミの人間の生活には宗教的なものをおいてはほかには実在しない。
チッポケな斧 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)