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いきみ
ふりがな文庫
“
生身
(
いきみ
)” の例文
生身
(
いきみ
)
では渡られない。
霊魂
(
たましい
)
だけなら乗れようものを。あの、
樹立
(
こだち
)
に包まれた
木戸
(
きど
)
の中には、その人が、と足を
爪立
(
つまだ
)
ったりなんぞして。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
この神丹を服用すると、その人はいつまでも不老不死で、そしてまた
生身
(
いきみ
)
のままで鳥のやうに空を飛ぶことが出来るといふことだつた。
独楽園
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
取り立ての鮑をね、いきなり殻をはいで、岩のように堅くなった
生身
(
いきみ
)
の肉を、
大根研子
(
だいこおろし
)
でおろして、とろろにしたものだそうだ。
野ざらし
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
死んで腐った
伊邪奈美命
(
いざなみのみこと
)
を、
生身
(
いきみ
)
の躰へ返そうというのはかなり困難な仕事ではあるが、八雷神は
為
(
な
)
しとげたのであった。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
打越金彌
(
うちこしきんや
)
の二人が、凉庵の忘れ形見でたつた一人殘された娘、——八五郎の所謂、
生身
(
いきみ
)
の辨天樣と言はれる、お玉を
援
(
たす
)
けて、園の經營を續けて居るのでした。
銭形平次捕物控:267 百草園の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
その男と此人形とは
神
(
たましひ
)
のあるとなきとの相違のみなりしが、かの女中是を近付て見給へば、さりとて
生身
(
いきみ
)
をすぐにうつしては興のさめてほろぎたなく、こはげの立つもの也。
実物と模型
(新字旧仮名)
/
相馬御風
(著)
「
何
(
なん
)
しろあなた、幕の上で遇うだけなんでしょう。向うが
生身
(
いきみ
)
の人なら、
語
(
ことば
)
をかけるとか、眼で心意気を知らせるとか出来るんですが、そんな事をしたって、写真じゃね。」
片恋
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
生身
(
いきみ
)
ではかなわぬなら、魂だけでもいまの船にあずけ、新居の港まで送ってもらうつもりだ。
藤九郎の島
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
生身
(
いきみ
)
の身体が、燃えさかる火の中へ落ち込んでチリチリ溶けてしまうのだ。オオ神様!……
吸血鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
炒
(
あぶ
)
り焼きして心見よ、と云うと、情無い
下司男
(
げすおとこ
)
は、其言葉通りにして見て、これはことの外に結構でござる、
生身
(
いきみ
)
の
炒
(
あぶ
)
り焼きは、死したるのよりも遥かに勝りたり、などと云った。
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
そのいじらしい、やさしい顔附といったら、まるでその表情の力で、きっと金をやわらげて、再びもとの
生身
(
いきみ
)
に返るに違いないと思われるほどでした。しかし、そうは行きませんでした。
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
死のうは一定——
生身
(
いきみ
)
の我も、路傍の死者も、彼は差別を思わないのである。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかし他の
有価物
(
ゆうかぶつ
)
と
異
(
ちが
)
って子供は
生身
(
いきみ
)
である。苦労をかけること
夥
(
おびただ
)
しい。山下夫婦は心の休まる間がなかった。未だ皆小さかった頃は、風邪が
流行
(
はや
)
ると順繰りに引いて、結局戸籍面通りに枕が並んだ。
嫁取婿取
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
生身
(
いきみ
)
の喜びを禁じたり 酒を止めたり
人間失格
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
生身
(
いきみ
)
さながら
法
(
のり
)
の身
『二十五絃』を読む
(新字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
白き
生身
(
いきみ
)
を
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
この神丹を服用すると、その人はいつまでも不老不死で、そしてまた
生身
(
いきみ
)
のままで鳥のやうに空を飛ぶことができるといふことだつた。
春の賦
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
其
(
それ
)
で
無
(
な
)
うてさへ、
御時節
(
ごじせつ
)
の
有難
(
ありがた
)
さに、
切支丹
(
キリシタン
)
と
間違
(
まちが
)
へられぬが
見
(
み
)
つけものゝ
処
(
ところ
)
ぢや。あれが
生身
(
いきみ
)
の
婦
(
をんな
)
で
無
(
な
)
うて、
私
(
わし
)
もチヨン
斬
(
ぎ
)
られずに
済
(
す
)
んだでがす……
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「さあ出来ました。
生身
(
いきみ
)
の仮面」
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「あすは
屍
(
かばね
)
か、
生身
(
いきみ
)
か」
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
生身
(
いきみ
)
さながら
法
(
のり
)
の身
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
生身
(
いきみ
)
さながら白金の
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
“生身”の解説
生身(しょうじん、しゃうじん、しゃうしん、さうじみ)とは、生まれながらの身体を言う。父母から生まれた身体一般を指し、釈迦の肉体を意味し、仏像の対語として用いられる。
のちに、特に仏・菩薩が衆生を救済するために化現(けげん)する化身(けしん)としての身体と同一視される。
(出典:Wikipedia)
生
常用漢字
小1
部首:⽣
5画
身
常用漢字
小3
部首:⾝
7画
“生”で始まる語句
生
生命
生憎
生活
生涯
生々
生垣
生物
生温
生死