“済”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
43.5%
すま29.9%
9.8%
すく7.9%
すみ3.7%
すん1.9%
すむ0.9%
かへ0.5%
せい0.5%
0.5%
わた0.5%
ワタラント0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
まなかったわねえ——と来やがる、その後がなおいけねえ——私にそっと逢い度いなら逢い度いと、そう言って下さればいいのに
しかし、持彦は悠然ゆうぜんとして水をあび、そしてみそぎの行いをすましたのである。それを見澄みすました上の官人は小気味宜こきみよげにわらっていった。
花桐 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
良兼は何様どうかして勝を得ようとしても、尋常じんじやうの勝負では勝を取ることが難かつた。そこで便宜べんぎうかゞひ巧計を以て事をさうと考へた。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
しかれども人情の表裏を察し、大勢の機微を射り、立談の際に、天下の時艱じかんすくうの大作用に至りては、いまだ彼に許さざるものあるが如し。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
お嬢様、どうしたものでございますね。御婚礼のお目出度めでたいに、泣いていらしっちゃあすみません。まあ、涙を拭いて、婿様をお見上げ遊ばせ。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その金で借金は奇麗にすんだが、その蔵書中に易経集註えききょうしっちゅう十三冊に伊藤東涯先生が自筆で細々こまごま書入かきいれをした見事なものがある。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
父は銀行に用があるので、すむまで待つて居る様にといつて、出入の仕立ものする女の家へしばらく預けられました。
黄金機会 (新字旧仮名) / 若松賤子(著)
ヱマルソン言へる事あり、尤も冷淡なる哲学者といへども、恋愛の猛勢に駆られて逍遙徘徊せし少壮なりし時の霊魂が負ふたるおひめかへす事能はずと。
厭世詩家と女性 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
阿部伊勢守正弘の家来伊沢磐安いさわばんあん黒田くろだ豊前守ぶぜんのかみ直静なおちかの家来堀川舟庵ほりかわしゅうあん、それから多紀楽真院らくしんいん門人森養竹もりようちくである。磐安は即ち柏軒で、舟庵は『経籍訪古志』のばつに見えている堀川せいである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
八重「半治はん誠にほめえはりいよう、ほれじゃアまねえよ、ふァたい此家ほゝているに、ほめえがほんなほとをひてや親分ほやぶんまねえよ、小兼ほはねはんにひまになってへえれってえ、ほれじゃア可愛ははひほうだアへえ」
天帝釈化して猴となり身に疥癬を病めり、来り進んで猴衆に石を負わせ、海をふたがしめ衆わたるを得とあり。『宝物集』にも似た事を記す。
論語に、邦有道、貧且賤焉耻也とあり、魏文帝の詩に、願飛安翼、欲ワタラント河無ハシとあるのも参考となり、憶良の長歌の句などには支那の出典を見出し得るのである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)