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ふりがな文庫
“
済
(
す
)” の例文
旧字:
濟
済
(
す
)
まなかったわねえ——と来やがる、その後がなおいけねえ——私にそっと逢い度いなら逢い度いと、そう言って下さればいいのに
銭形平次捕物控:236 夕立の女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
『ええ
只今
(
ただいま
)
、
足下
(
そっか
)
に
御関係
(
ごかんけい
)
のある
事柄
(
ことがら
)
で、
申上
(
もうしあ
)
げたいと
思
(
おも
)
うのですが。』と、
市役所員
(
しやくしょいん
)
は
居並
(
いなら
)
ぶ
人々
(
ひとびと
)
の
挨拶
(
あいさつ
)
が
済
(
す
)
むとこう
切
(
き
)
り
出
(
だ
)
した。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
巡礼の
痛罵
(
つうば
)
そういう風で先生達は名高い〔霊場や〕ラマ達の巡礼を
済
(
す
)
まして、ゲンパラ即ち今私の立止って居る所まで帰って来た。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
舎費
即
(
すなわ
)
ち食糧費としては月二円で
済
(
す
)
み、予備門の授業料といえば月
僅
(
わずか
)
に二十五銭(
尤
(
もっと
)
も一学期分
宛
(
ずつ
)
前納することにはなっていたが)
私の経過した学生時代
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
阿母さんはもう座敷の
拭掃除
(
ふきそうぢ
)
も台所の
整理事
(
しまひごと
)
も
済
(
す
)
ませて、
三歳
(
みつヽ
)
になる娘の子を
脊
(
せな
)
に
負
(
お
)
ひ乍ら、広い土間へ盥を入れて
洗濯物
(
せんたくもの
)
をして
居
(
ゐ
)
る。
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
▼ もっと見る
陽暦で正月を
済
(
す
)
ましてとくに餅は食うてしもうた
美的
(
びてき
)
百姓の家へ、にこ/\顔の糸ちゃん春ちゃんが朝飯前に
牡丹餅
(
ぼたもち
)
を持て来てくれる。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
「
何
(
ど
)
うも
済
(
す
)
みません、
少
(
すこ
)
し、うと/\しましたつけ。うつかり
夢
(
ゆめ
)
でも
視
(
み
)
たやうで、——
郡山
(
こほりやま
)
までは一
度
(
ど
)
行
(
い
)
つた
事
(
こと
)
があるものですから……」
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
『帰るサ——御話が
済
(
す
)
めば帰るサ。母さんに斯う言へ、父さんは学校の先生と御話して居ますから、其が済めば帰りますツて。』
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「
済
(
す
)
まないのは、お
前
(
まえ
)
さんよりこっちのこと、
折角
(
せっかく
)
眠
(
ねむ
)
いところを、
早起
(
はやお
)
きをさせて、わざわざ
来
(
き
)
てもらいながら、
肝腎
(
かんじん
)
のおせんが。——」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
そうする
中
(
うち
)
に
私
(
わたくし
)
は
岩屋
(
いわや
)
の
修行場
(
しゅぎょうば
)
から、
山
(
やま
)
の
修行場
(
しゅぎょうば
)
に
進
(
すす
)
み、やがて
竜宮界
(
りゅうぐうかい
)
の
訪問
(
ほうもん
)
も
済
(
す
)
んだ
頃
(
ころ
)
になりますと、
私
(
わたくし
)
のような
執着
(
しゅうじゃく
)
の
強
(
つよ
)
い
婦女
(
おんな
)
にも
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
僕のごときも今日まで幾度となくこの
過
(
あやま
)
ちを繰り返し
来
(
きた
)
ったもので、今にしてこれを
顧
(
かえりみ
)
ると
済
(
す
)
まぬことをしたと思うことがたびたびある。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
切られたかと思ったほど痛かったが、それでも
夢中
(
むちゅう
)
になって逃げ出すとネ、ちょうど
叔父
(
おじ
)
さんが帰って来たので、それで
済
(
す
)
んでしまったよ。
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
宿題
(
しゅくだい
)
もみんな
済
(
す
)
ましたし、
蟹
(
かに
)
を
捕
(
と
)
ることも
木炭
(
すみ
)
を
焼
(
や
)
く
遊
(
あそ
)
びも、もうみんな
厭
(
あ
)
きていました。達二は、家の前の
檜
(
ひのき
)
によりかかって、考えました。
種山ヶ原
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
背広
(
せびろ
)
を
軽
(
かる
)
いセルのひと衣にぬぎ
換
(
かへ
)
て、青木さんが
奧
(
おく
)
さんと一
緒
(
しよ
)
につましやかな
晩
(
ばん
)
さんを
済
(
す
)
ましたのはもう八
時
(
じ
)
近
(
ちか
)
くであつた。
夢
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
ところがお茶が
済
(
す
)
むと、父はわたしと
腕
(
うで
)
を組んで、
一緒
(
いっしょ
)
に庭へ出て行きながら、わたしがザセーキン家で見たことを、
逐一
(
ちくいち
)
わたしに物語らせた。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
別室にひかえていて、一人の死が
済
(
す
)
むと、ただちに、係りの武士の声がまた庭上から、『何々殿、お支度を』と、告げるのをただ肌に
粟
(
あわ
)
していた。
美しい日本の歴史
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鋸引
(
のこぎりび
)
きが
済
(
す
)
んで、セメント柱は二つに切られた。博士の指図によって、消防隊の人々が一方のセメント柱に手をかけて、えんやえんやと引張った。
○○獣
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
身を以て懇願する者があったならば、陛下も
御頷
(
おんうなず
)
きになって、我らは十二名の革命家の墓を建てずに
済
(
す
)
んだであろう。
謀叛論(草稿)
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
しかし現在の予は、
既
(
すで
)
に過去の予と違つて、全精力を創作に費さない限り人生に対しても又予自身に対しても、
済
(
す
)
まないやうな気がしてゐるのである。
入社の辞
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
若先生は人を斬ることを何とも思わっしゃらねえだ——いくら剣術でもああいう法というのはあるめえ、かりにも御主人を悪くいって
済
(
す
)
まねえけんど
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
又牢に入れてくれるなと云ふ。大阪の牢屋から生きて
還
(
かへ
)
るものゝ少いのは公然の秘密だから、病体でなくても、
入
(
い
)
らずに
済
(
す
)
めば
入
(
い
)
るまいとする筈である。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
それはその花が
済
(
す
)
んで実になると、それが
茎頂
(
けいちょう
)
に集合し白く
蓬々
(
ほうほう
)
としていて、あたかも
翁
(
おきな
)
の
白頭
(
はくとう
)
に似ているから、それでオキナグサとそう呼ぶのである。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
是
(
こ
)
れは
済
(
す
)
まぬ事だと思い、
恰
(
あだか
)
も一念こゝに
発起
(
ほっき
)
したように断然酒を
止
(
や
)
めた。スルト塾中の
大
(
おお
)
評判ではない
大笑
(
おおわらい
)
で
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
欧洲から日本へ、日本から欧洲へと往復するにもただプラプラと青い尻尾さえ
引摺
(
ひきず
)
れば
済
(
す
)
むのだから、今の若い日本の画家等にとっては大変な
福音
(
ふくいん
)
なのだ。
楢重雑筆
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
始めからそのつもりで、まるまる役に立たずに
済
(
す
)
めばそれに越したことはないという教育に、全力を挙げているということは、再考する必要があると思う。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
暫
(
しばら
)
くして彼は寝台に起き直り、ゆっくりした動作で
身仕度
(
みじたく
)
を
済
(
す
)
ませ長靴をつけた。粗末な小屋なので動く度に床がきしみ、腕が触れる毎に壁はばさばさと鳴った。
日の果て
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
一通り哄笑が終ると、一同は改まって、大納言に
慇懃
(
いんぎん
)
な
御辞儀
(
おじぎ
)
をする。それが
済
(
す
)
むと、再び私語・囁き。
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
「あんたのほうは
済
(
す
)
んだ、フェリックス」と、姉のエルネスチイヌはいう——「七つか八つきりいなかったわ。
勘定
(
かんじょう
)
してごらん。にんじんのは幾ついるか、さあ」
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
わたしはその間に
掃除
(
そうじ
)
を
済
(
す
)
まし、居残りの巡査と話してるのにも
厭
(
あ
)
きて、そろそろ風呂の湯加減でも見ておこうかと、鍵を持って廊下を渡って行ったんですが……。
浴槽
(新字新仮名)
/
大坪砂男
(著)
「そんなんやったら、ちょっと知らしてくれたらええのに。えらい待ちぼけ
喰
(
く
)
うたもんや。」「ついうっかりしてて
済
(
す
)
まなんだけど、急に話がまとまってしもてん。」
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
併し彼女の夫は、鈍感な妻が気のついている筈は無い! と思って
済
(
す
)
ましているのだ。彼は至極善良な主人らしく、食卓の傍の畳に朝刊を拡げて三面記事を読み続けた。
接吻を盗む女の話
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
アヽ
予
(
よ
)
は
華族
(
くわぞく
)
の
家
(
いへ
)
に
生
(
うま
)
れたが、
如何
(
いか
)
に
太平
(
たいへい
)
の
御代
(
みよ
)
とは
申
(
まう
)
せども、手を
袖
(
そで
)
にして遊んで
居
(
を
)
つては
済
(
す
)
まぬ、え
我
(
わが
)
先祖
(
せんぞ
)
は
千軍萬馬
(
せんぐんばんば
)
の
中
(
なか
)
を
往来
(
わうらい
)
いたし、
君
(
きみ
)
の
御馬前
(
ごばぜん
)
にて
血烟
(
ちけむり
)
を
揚
(
あ
)
げ
華族のお医者
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それよりは心を静め思いを転じて、
生
(
いき
)
ながら死せる気になり、
万感
(
まんかん
)
を排除する事に
勉
(
つと
)
めしかば宿屋よりも獄中の夢安く、翌朝
目覚
(
めざ
)
めしは他の監房にて既に食事の
済
(
す
)
みし頃なりき。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
天変地異
(
てんぺんちい
)
を
笑
(
わら
)
つて
済
(
す
)
ますものは
文学者
(
ぶんがくしや
)
なり。
社会
(
しやくわい
)
人事
(
じんじ
)
を
茶
(
ちや
)
にして
仕舞
(
しま
)
ふ者は
文学者
(
ぶんがくしや
)
なり。
否
(
い
)
な、神の
特別
(
とくべつ
)
なる
贔屓
(
ひいき
)
を
受
(
う
)
けて
自然
(
しぜん
)
に
hypnotize
(
ヒプノタイズ
)
さる〻ものは
文学者
(
ぶんがくしや
)
なり。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
いやに
済
(
す
)
ました人おつに
咳払
(
せきばら
)
ひして進み出でて曰く両君の
宣
(
のたま
)
ふ所
各
(
おのおの
)
理あり。皆その人とその場合とに因つてこれを施して可なるべし。素人も芸者も元これ女なり。生れて女となる。
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
連れて行って婚礼させればそれで
済
(
す
)
むのでさあ。早くサッサと
旅立
(
たびだち
)
の支度でもなさいよ
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
見物人ということを自他ともにあきらかにしつつ、——いわば生命安全の見物人と書いた紙をおでこに
貼
(
は
)
り付けて歩くみたいなことは、生命をささげて戦っている兵隊さんに
済
(
す
)
まない感じだった。
如何なる星の下に
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
それで
済
(
す
)
みなのだった。
他
(
よそ
)
の
老人
(
としより
)
の校長などは居ねむりをしていた。
旧聞日本橋:03 蕎麦屋の利久
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
済
(
す
)
んだ。いまや私はしっかりと身を持さなければならない。
死刑囚最後の日
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
検疫
(
けんえき
)
は五
時
(
じ
)
に
済
(
す
)
んだ。
今度
(
こんど
)
は
税関
(
ぜいくわん
)
の
小蒸気
(
こじようき
)
が
著
(
つ
)
く。
検疫と荷物検査
(新字旧仮名)
/
杉村楚人冠
(著)
と
或
(
ある
)
人がいふと、フアブル先生
済
(
す
)
ましたもので
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
何か気の
済
(
す
)
む
心地
(
ここち
)
にて寝る。
悲しき玩具
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
朔郎 もう
済
(
す
)
むんですか。
ママ先生とその夫
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
踊
(
をどり
)
も
済
(
す
)
んだか
声
(
こゑ
)
もなし。
とんぼの眼玉
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
この夜分の供養は
二時
(
翌朝の四時
)
頃に
済
(
す
)
みますけれども、僧侶はそれから外出を許されない。みな自分の室内に
蟄居
(
ちっきょ
)
して居らなければならん。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
先生の
白襯衣
(
ホワイトシャート
)
を着た所は
滅多
(
めった
)
に見る事が出来なかった。大抵は
鼠
(
ねずみ
)
色のフラネルに
風呂敷
(
ふろしき
)
の切れ
端
(
はし
)
のような
襟飾
(
ネクタイ
)
を結んで
済
(
す
)
ましておられた。
博士問題とマードック先生と余
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
灯
(
あかり
)
も
明
(
あか
)
るき
無料
(
むりょう
)
の
官宅
(
かんたく
)
に、
奴婢
(
ぬひ
)
をさえ
使
(
つか
)
って
住
(
す
)
んで、その
上
(
うえ
)
、
仕事
(
しごと
)
は
自分
(
じぶん
)
の
思
(
おも
)
うまま、してもしないでも
済
(
す
)
んでいると
云
(
い
)
う
位置
(
いち
)
。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
いいえ、
勿体
(
もったい
)
ないより、
済
(
す
)
まないのはあたしの
心
(
こころ
)
。
役者家業
(
やくしゃかぎょう
)
の
憂
(
う
)
さ
辛
(
つら
)
さは、どれ
程
(
ほど
)
いやだとおもっても、
御贔屓
(
ごひいき
)
からのお
迎
(
むか
)
えよ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
余は一個の
浮浪
(
ふろう
)
書生
(
しょせい
)
、筆一本あれば、住居は
天幕
(
てんまく
)
でも
済
(
す
)
む自由の身である。それでさえ
塒
(
ねぐら
)
はなれた小鳥の
悲哀
(
かなしみ
)
は、其時ヒシと身に
浸
(
し
)
みた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
も葬式は無事に
済
(
す
)
んだ。後の事は牧場の持主に頼み、番小屋は手伝ひの男に預けて、一同姫子沢へ引取ることになつた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
“済”の解説
済(せい)または倭 済(わ せい、生没年不詳)は、5世紀中頃(古墳時代中期)の倭王倭王済(日本人名大辞典)。「倭王済」とも倭王済(日本人名大辞典)。
興・武の父で、「倭の五王」の1人。第19代允恭天皇に比定する説が有力視される。
(出典:Wikipedia)
済
常用漢字
小6
部首:⽔
11画
“済”を含む語句
相済
聞済
内済
済南
返済
百済
事済
仕済
済度
日済
成済
経済
多士済々
救済
取済
百済寺
不相済
済寧
百済野
御済
...