“心地”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ここち53.3%
こゝち19.3%
こころもち10.2%
ごこち7.8%
こゝろもち3.3%
きもち3.3%
しんち1.2%
こころち0.4%
こゝろ0.4%
こヽち0.4%
ごゝち0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
紫は鳩(はと)の胸毛の如くに美しくも色(いろ)褪(さ)めたるもの、また緑は流るる水の緑なるが如く、藍は藍染(ぞ)めの布の裏地を見る心地(ここち)にも譬(たと)へんか。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
それで他國(たこく)の立派(りつぱ)な堂々(だう/\)たる小學校(せうがくかう)に居(ゐ)て急(きふ)に其樣(そんな)見(み)すぼらしい學校(がくかう)に來(き)た僕(ぼく)は子供心(こどもごころ)にも決(けつ)して愉快(ゆくわい)な心地(こゝち)は爲(し)なかつたのです。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
旅するものに取ってはこの上もない好い日和(ひより)だった。汽車が国府津の方へ進むにつれて、温暖(あたたか)い、心地(こころもち)の好い日光が室内に溢(あふ)れた。
船 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
酒のように酔い心地(ごこち)にのみ込みながら「あなただけにそうはさせておきませんよ。わたしだって定子をみごとに捨てて見せますからね」
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
「何卒(どうぞ)、私の書いたものをよく読んで見て下さい。」左様(さう)言つて置いて奥さんの前を引退(ひきさが)つた。あの心地(こゝろもち)は今だに続いて居る。
突貫 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
径は直(す)ぐ渓間(たにま)の方へ低まって往った。丹治は眼を渓の下の方にやろうとした。赤い靄(もや)が眼の前を飛ぶような心地(きもち)がした。
怪人の眼 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
〔譯〕自ら彊(つと)めて息(や)まざる時候(じこう)は、心地(しんち)光光明明(くわう/\めい/\)にして、何の妄念(ばうねん)游思(ゆうし)有らん、何の嬰累(えいるゐ)罣想(けさう)有らん。
彼(かれ)は、また、そこにうずくまりました。すると、心地(こころち)よい春(はる)の風(かぜ)は、顔(かお)に当(あ)たって、月(つき)の光(ひかり)が、ますますあたりを明(あか)るく照(て)らしたのであります。
百姓の夢 (新字新仮名) / 小川未明(著)
初め兩親に語(かたる)もいとゞ面伏(おもぶせ)と思ふ計(ばか)りに言も出さず心地(こゝろ)惡(あし)しと打伏しが然(さう)問(とは)れては包(つゝむ)に由なし實は今日音羽まで行(ゆき)たる時に箇樣々々(かやう/\)厠(かはや)へ入んと七丁目の鹽煎餠屋(しほせんべいや)と炭團屋の裏へ這入て用を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
母親(はヽおや)の別(わか)れに悲(かな)しき事(こと)を知(し)り盡(つく)して膓(はらわた)もみ切(き)るほど泣(な)きに泣(な)きしが今日(けふ)の思(おも)ひは夫(そ)れとも變(かは)りて、親切(しんせつ)勿体(もつたい)なし、殘念(ざんねん)などヽいふ感念(かんねん)が右往左往(うわうざわう)に胸(むね)の中(なか)を掻(か)き廻(まわ)して何(なに)が何(なに)やら夢(ゆめ)の心地(こヽち)
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
此辺(このへん)では停車する毎(ごと)にプラツト・フオオムの売店へ宝石を買ひに降りる女が大勢ある。私も其(その)店へ一度行つて見た。紫水晶の指の触れ心地(ごゝち)の好(い)い程の大きさのを幾何(いくら)かと聞くと五十円だと云つた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛、与謝野晶子(著)