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殘念
殊に
浮沈室と
機關室とは
此艇の
最も
主要なる
部分ではあるが、
此事に
就いては
殘念ながら
私の
誓に
對して
一言も
明言する
事は
出來ぬ。
さうして
愛情の
結果が、
貧のために
打ち
崩されて、
永く
手の
裡に
捕へる
事の
出來なくなつたのを
殘念がつた。
御米はひたすら
泣いた。
あゝ
此樣な
事と
知つたら
何故倫敦邊の
流行歌の
一節位いは
覺えて
置かなかつたらうと
悔んだが
追付かない、
餘りの
殘念さに
春枝夫人の
顏を
見ると、
夫人も
今の
嘲罵を
耳にして
多少心に
激したと
見へ