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殘念
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ざんねん
殊に
浮沈室と
機關室とは
此艇の
最も
主要なる
部分ではあるが、
此事に
就いては
殘念ながら
私の
誓に
對して
一言も
明言する
事は
出來ぬ。
さうして
愛情の
結果が、
貧のために
打ち
崩されて、
永く
手の
裡に
捕へる
事の
出來なくなつたのを
殘念がつた。
御米はひたすら
泣いた。
さてさういふ
猿と
人間との
中間のものゝ
骨が
今日までにいかほど
發見されたかといふに、
殘念ながら
中々思ふように
出てまゐりません。
殘念でならぬので、
自分の
持場を一
生懸命に
掘つたけれど、
何も
出ない。
幻子の
大成功に
引替へて
大失敗。
活望二
子も
茫然として
了つた。
大船を
發して
了へば
最早國府津へ
着くのを
待つ
外、
途中何も
得ることは
出來ないと
思ふと、
淺間しい
事には
猶ほ
殘念で
堪らない。
其れは
自分が二十
年以上も
勤務を
爲てゐたのに、
其れに
對して
養老金も、一
時金も
呉れぬ
事で、
彼は
其れを
思ふと
殘念で
有つた。
殘念に存じ
怒りの餘り
打捨んと思ひ
詰たる
事由迄委細に申立たり又久兵衞は己れが
惡巧みを
押隱し
是非々々百兩の
云懸りを通して文右衞門を
自分の
家に
生れた
子供でもなく、むかし
山で
見つけたのを
養つただけのことでありますから、
氣持ちも
世間普通の
人とはちがつてをりますので、
殘念ではございますが……
「それ、
頭が
危いわ。」「
合點だ。」といふ
下から、コツン。おほゝゝほ。「あゝ
殘念だ、
後姿だ。いや、えり
脚が
白い。」といふ
所を、シヤンに
振向かれて、
南無三寶。
取にがしては
殘念であらうと
人の
愁ひを
串談に
思ふものもあり、
諸説みだれて
取止めたる
事なけれど、
恨は
長し
人魂か
何かしらず
筋を
引く
光り
物のお
寺の
山といふ
小高き
處より
とりかへしのつかない
殘念なことをしたやうに
思はれて、ならなかつた。
これは
或る
點まで
殘念ながら
眞實らしい。
春枝夫人は
痛く
心配して『あまりに
御身を
輕んじ
玉ふな。』と
明眸に
露を
帶びての
諫言、
私は
實に
殘念であつたが
其儘思ひ
止つた。
現在わが
國にある
博物館はその
數が
少いばかりでなく、
殘念ながら
世界に
押し
出して
優れた
博物館とは
申すことが
出來ません。
『
私は
何も
貴方を
自分の
信仰に
向はせやうと
云ふ
權利を
主張はせんのです。』
院長は
自分を
解つて
呉れ
人の
無いので、さも
殘念と
云ふやうに。
「
平常の
樣に
犬がゐると
好かつたんですがね。
生憎病氣なので、四五
日前病院へ
入れて
仕舞つたもんですから」と
主人は
殘念がつた。
宗助も
余は
殘念ながら、
博士の
講演を
拜聽するを
得なかつたので、
博士が
瓢箪山及び
新發見の
横穴に
就て、
如何いふ
説を
發表されたか、
余は
知らぬが
承まはりしに馬喰町人殺は
別人なる由全く彦兵衞の
所業に非ず然るを家主八右衞門
熟々糺も仕つらず御所刑と致候段
殘念に
存小腕ながらも敵討を
『まア
貴下あれが
見えないの。アゝ
最早見えなくなつた。』と
老婦人は
殘念さうに
舌打をした。
義母は
一寸と
其方を
見たばかり
此時自分は
思つた
義母よりか
老婦人の
方が
幸福だと。
愚鈍ではあるが
子供の
時から
是れといふ
不出來しも
無かつたを
思ふと
何か
殘念のやうにもあつて、
眞の
親馬鹿といふのであらうが
平癒らぬほどなら
死ねとまでも
諦めがつきかねるもので
『
左樣、
殘念ながら、
西班牙や、
亞弗利加の
方は
今度は
斷念しました。』と、
私がキツパリと
答へると、
彼はポンと
膝を
叩いて
えゝ、
生甲斐の
無い
生活だ、
如何にも
殘念な
事だ、
此の
苦痛な
生活がオペラにあるやうな、アポテオズで
終るのではなく、
是があゝ
死で
終るのだ。
ずんと
切落せば掃部は
堪らず
尻居に
動と
倒れつゝヤア
殘念や
恨めしや
欺し討とは
卑怯未練是重四郎殿何者か我が
足を
そして、その
前の
千年間ぐらゐも
石器時代であつたかと
思はれますけれども、そのへんのことになると、
殘念ながら
年數を
明かにすることが
出來ません。
「
道は
近きにあり、
却つて
之を
遠きに
求むといふ
言葉があるが
實際です。つい
鼻の
先にあるのですけれども、
何うしても
氣が
付きません」と
宜道はさも
殘念さうであつた。
母親の
別れに
悲しき
事を
知り
盡して
膓もみ
切るほど
泣きに
泣きしが
今日の
思ひは
夫れとも
變りて、
親切勿体なし、
殘念などヽいふ
感念が
右往左往に
胸の
中を
掻き
廻して
何が
何やら
夢の
心地
心配しないで
呪でもして
待つが
宜いさと
慰さめるやうな
朋輩の
口振、
力ちやんと
違つて
私しには
技倆が
無いからね、
一人でも
逃しては
殘念さ、
私しのやうな
運の
惡るい
者には
呪も
何も
聞きはしない
お
手づからなる
名譽はあれど、
戀に
本尊あれば
傍だちに
觸れる
眼なく、一
心おもひ
込みては
有し
昔しの
敏ならで、
可惜廿四の
勉強ざかりを
此体たらく
殘念とも
思はねばこそ、
甚之助に
追從しあるきて
と
大言吐きし
昔の
心の
恥かしさよ
誰れが
好んで
牛馬の
代りに
油汗ながし
塵埃の
中馳せ
廻るものぞ
仕樣模樣の
竭きはてたればこそ
恥も
外聞もなひまぜにからめて
捨てた
身のつまり
無念も
殘念も
饅頭笠のうちに
包みて
參りませうと
聲低に
勸める
心いらぬとばかりもぎだうに
過ぎ
行く
人それはまだしもなりうるさいは