“低”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひく63.9%
23.5%
4.2%
2.1%
1.7%
たれ1.3%
0.8%
びく0.8%
ひくき0.4%
さが0.4%
さぐ0.4%
そこ0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこで、王子は、森にむかってずんずん進んでいきますと、大きな木もひくい木も、草やぶもいばらも、みんな道をよけて通しました。
眠る森のお姫さま (新字新仮名) / シャルル・ペロー(著)
と正面よりお顔を凝視みつめて、我良苦多がらくた棚下たなおろし。貴婦人は恥じ且つ憤りて、こうべれて無念がれば、鼻の先へ指を出して、不作法千万。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
こちらを向く気配にもう頭をげていた。そんなふうに身をかがめて、吹きつけて来る風当りを少しでも避けようとしていたのだ。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
蝙蝠こうもりが一羽ひらひらと地をくう飛んだと見た、早や戸を閉めた縄暖簾なわのれんれて二筋三筋戸外おもてにさす灯の色も沈んだ米屋を背後うしろ
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
郎女は尊さに、目のれて來る思ひがした。だが、此時を過してはと思ふ一心で、姿から、目をそらさなかつた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
しかるにひとりの男来り、さもはぢらふさまにて人のうしろ欲言ものいはんとしていはず、かしらたれなみだをおとしけり、人々これをみれば同村おなじむらなにがし次男じなん也けり。
変な好みの、萌葱もえぎがかった、釜底形かまぞこがたの帽子をすッぽり、耳へかぶさって眉の隠るるまでめずらした、脊のずんとある巌乗造がんじょうづくり
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
次第びくに、耐力たわいなく根を抜いて、すっと掻巻かいまきの上へ倒れたらしい心地がすると、ひしひしと重量おもみかかって、うむ、とされた同然に、息苦しくなったので、急いで、刎退はねのけにかかると
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ひくきしたがつて今来りたる方へ乗下のりくだりたるに、一束いつそくの柴雪車よりまろおち、谷をうづめたる雪の裂隙われめにはさまり(凍りし雪陽気を得て裂る事常也)たるゆゑ
貞之進もこれに答礼せねばならぬような気持で、自然に頭がさがったように見えたのも奇であった。
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
顔をあかめつつ紳士の前にひざまづきて、慇懃いんぎんかしらさぐれば、彼はわづかに小腰をかがめしのみ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
おもへども、れぬ不審ふしんうたがひのくもりて、たゞ一トさほ箪笥たんす引出ひきだしより、柳行李やなぎこりそこはかと調しらべて、もし其跡そのあとゆるかとぐるに、ちり一はしの置塲おきばかわらず
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)