“びく”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ビク
語句割合
魚籠46.0%
比丘17.5%
魚籃13.1%
畚8.8%
尾籠2.2%
籠1.5%
低1.5%
怯1.5%
籃1.5%
笭箵0.7%
微躯0.7%
怯気0.7%
怯然0.7%
恟0.7%
悸0.7%
笭0.7%
籃中0.7%
魚畚0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
上川筋は稍急流で浅場なので、足で釣らなくてはならぬが、やまべらしく案外魚籠(びく)は重くなる。私はもつぱら此川筋へ出漁して居る。
釣十二ヶ月 (新字旧仮名) / 正木不如丘(著)
物はこの煙草盆(たばこぼん)であれば、同時にこの薬瓶であることはできない。人は王であれば比丘(びく)であることはできない。じつに不自由なものである。
愛と認識との出発 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
そんな人は宿の大きなバケツを魚籃(びく)のかわりに持っていて、覗(のぞ)いてみると時たま小さな鮒(ふな)を一二尾(ひき)釣っていたり、四五寸ある沙魚(はぜ)を持っていたりする。
蟇の血 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
以前変らぬ蝮捕り姿、腰には畚(びく)、手には鉤(かぎ)、紺ずくめの裳束で、人を掻き分け境内を出たが、ションボリとして寂しそうだ。
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
町人は煙草(たばこ)を吸いつけて、尾籠(びく)の中をのぞきこんだ。尾籠の底には、魚の鱗(こけら)もなかった。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
暫時(しばらく)するとこれも力なげに糸を巻き籠(びく)を水から上げて先生の道具と一緒に肩にかけ、程(ほど)遠からぬ富岡の宅(うち)まで行った。庭先で
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
と大言(たいげん)吐(は)きし昔(むかし)の心(こゝろ)の恥(はづ)かしさよ誰(た)れが好(この)んで牛馬(ぎうば)の代(かは)りに油汗(あぶらあせ)ながし塵埃(ぢんあい)の中(なか)馳(は)せ廻(めぐ)るものぞ仕樣(しやう)模樣(もやう)の竭(つ)きはてたればこそ恥(はじ)も外聞(ぐわいぶん)もなひまぜにからめて捨(す)てた身(み)のつまり無念(むねん)も殘念(ざんねん)も饅頭笠(まんぢうがさ)のうちに包(つゝ)みて參(まゐ)りませうと聲(こゑ)低(びく)に勸(すゝ)める心(こゝろ)いらぬとばかりもぎだうに過(す)ぎ行(ゆ)く人(ひと)それはまだしもなりうるさいは
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「ほんとうだともさ。」恐ろしいダイナマイトの製造業者は、女中頭の口から、お手の物の爆裂弾が吐き出されようとも怯(びく)ともしないやうな身構へをして言つた。
傍らに籃(びく)が置いてあったが、魚は一匹もいなかった。
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
魚釣りに行った村の若者が笭箵(びく)を下げて帰る時には、足を二本とも縁台の上に曲げて、肱(ひじ)を枕にして高い鼾(いびき)をかいていた。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
そして日の暮れるころには、笭箵(びく)の中に金色(こんじき)をした鮒(ふな)や鯉(こい)をゴチャゴチャ入れて帰って来る。店子(たなこ)はおりおり擂(す)り鉢(ばち)にみごとな鮒を入れてもらうことなどもある。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
残る隈(くま)なく雲の波に浸(ひた)されて、四面圜海(くわんかい)の中、兀立(こつりつ)するは我微躯(びく)を載せたる方(はう)幾十尺の不二頂上の一撮土(さつど)のみ、このとき白星を啣(ふく)める波頭に、漂ふ不二は、一片石よりも軽且(かつ)小なり
霧の不二、月の不二 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)
これが、例の戸棚掛の白布(しろぬの)を、直ぐに使って一包み、昨夜の一刀を上に載(の)せて、も一つ白布で本包みにしたのを、薄々沙汰は知っていながら、信心堅固で、怯気(びく)ともしないで、一件を小脇に抱える。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
不埒を承知でした事を、不埒と言ったって怯然(びく)ともしねえ。豪(えら)い、と讃(ほ)めりゃ吃驚(びっくり)するがね。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と声をかけた者がある、——三人の外人が恟(びく)りとして振返ると、そこには鹿谷博士がにやにやしながら立っていた。
亡霊ホテル (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
途方もねえ言いがゝりをして金にする了簡だな、其様(そん)な事に悸(びく)ともする幸兵衞じゃア無(ね)えぞ……えゝ何をするんだ、放せ、袂が切(きれ)るア、放さねえと打擲(ぶんなぐ)るぞ
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ですから友釣の鮎でなければ極く美味(おいし)い味がありません。それも朝釣れた魚を笭(びく)の中へ入れて晩まで背負って歩いたのと晩方に漁れたのを直(す)ぐ料理するのとはまるで味が違います。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
幕府にとって、伊達家は籃中(びく)の魚であり、どうじたばたしてもその籃(かご)からのがれることはできないし、へたに暴れだせば却(かえ)って爼上(そじょう)にのせられる、ここはがまんすべきときだ。
釣られた魚の魚畚(びく)を出て、再び大河に泳ぐような気が、次第次第に加わって来た。今度は江戸の方へ引附けられて行くので有った。
死剣と生縄 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)