“ぎょ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
47.9%
22.5%
12.7%
5.6%
2.8%
2.8%
2.8%
1.4%
1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
キシさんが二頭の馬をぎょし、太郎とチヨ子とは、馬車の箱の中で、白猫のチロと遊びながら、奇術のけいこでもするだけでした。
金の目銀の目 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
ぎょっとして一歩退き、燐寸マッチを取出してすった。ぱっと光が洞穴の四壁を照した、見ると、……奥の方に誰か倒れている者がある
殺生谷の鬼火 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
呼鈴よびりんはげしくならして、「矢島をこれへ。」と御意あれば、かしこまりて辷出すべりいづるおはした入違いりちがいに、昨日きのう馬をぎょせし矢島由蔵、真中の障子を開きて縁側にひざまず
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
もとより暴君汚吏おり民を悩まし人をぎょしたるものもすくなからざりしといえども、概して論ずれば徳川時代の封建政治は、我が国民に取りては、開闢かいびゃく以来無上むじょうの善政たることは、吾人ごじんが敢て断言する処。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
大懶獣メガテリウム」と呼吸いきぎょっと引いて、ダネックが唸るように言った。「あれも、第三紀ごろの前世界動物だ。高さが、成獣なれば二十フィートはあるんだがね」
人外魔境:03 天母峰 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
なるほど、足もとを見ると——あるにはあるがお雪ちゃんがぎょっとしました。
大菩薩峠:35 胆吹の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
新しい妻はけだもののようにたくましく、生き生きした体と、決して内地人に劣らない容貌とをもっている。その上、勢力家の頭目を義兄にもったため、土地の蕃人たちをぎょしてゆくにも好都合である。
霧の蕃社 (新字新仮名) / 中村地平(著)
一子かいが父ぎょあといだことにはなっているが、名目だけに過ぎぬ。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
東京の政界は華々しい。我ら田舎に住んでいるものは、ふちに臨んでぎょうらやむの情に堪えない。しかしだいなるものは成るに難く、小なるものは成るにやすい。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)