“ぎょっ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
愕然28.2%
23.1%
17.9%
悸然12.8%
悚然5.1%
慄然5.1%
悸乎2.6%
2.6%
駭然2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
が、顔は真蒼で、くちがゆるんで、白い歯並や歯齦はぐきがむき出ているばかりでなく、手をふれると異様な冷さを感じたので、愕然ぎょっとして突離した。
犬舎 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
見違える程若返らせて「コレ道九郎、其の方に祝して貰わねば成らぬ事が有る、何しろ目出度いよ」余はぎょっとした
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
「……香苗ではないか」突然そう呼びかけられて、ぎょっとしながら立止ると兄の勘一郎が近寄って来た、「いま戻ったのか」
城中の霜 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
ところが或事に気付いた私は悸然ぎょっとしました、ほかでもありません。中谷なら髪を長く伸している筈ですのに、いま映った影法師はたしか毬栗頭いがぐりあたまだったではありませんか。
流転 (新字新仮名) / 山下利三郎(著)
お園は悚然ぎょっと立ち淀みましたが、まだその懐の前に掻い抱く袖を開こうとはしません。
小宮山は慄然ぎょっとして、雨の中にそのまま立停たちどまって、待てよ、あるいはこりゃことづかって来たのかも知れぬと、悚然ぞっとしましたが、何しろ、自宅へ背負しょい込んでは妙ならずと、直ぐにあゆみを転じて
湯女の魂 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「モシ、モシ。」と背後うしろから呼ぶ声をきいた。泉原は悸乎ぎょっとして振返ると、中折帽をかぶった大男が、用ありげにツカ/\と寄ってきた。
緑衣の女 (新字新仮名) / 松本泰(著)
すると、私が着換えをしていると、またやって来て、あの大きな影法師にぎょっとした途端、いやというほど拳で脊を打たれました。
オフェリヤ殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
ト聞くと等しく文三は駭然ぎょっとしてお勢の顔を目守みつめる。されど此方こなたは平気のてい
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)