“ぞつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
悚然38.6%
慄然31.8%
13.6%
6.8%
2.3%
2.3%
悚気2.3%
2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
たれおも怪我人けがにんはこばれたのだと勘次かんじぐにさとつてさうしてなんだか悚然ぞつとした。かれ業々げふ/\しい自分じぶん扮裝いでたちぢて躊躇ちうちよしつゝ案内あんないうた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ふたツもみつツも。わたしなにはなすのだらう、わたしなにはなすのだらう、とりがものをいふと慄然ぞつとして慄立よだつた。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
その話を聞いて彼はぞつと寒気を感じたが、暇つぶしな人怖らせの空想として強ひて一笑に附し去らんとするのであつた。
代助はアンドレーフの『七刑人』の最後の模樣を、此所迄頭の中で繰り返して見て、ぞつと肩をすくめた。
知られざる漱石 (旧字旧仮名) / 小宮豊隆(著)
わかたずせまるより逢せて遣ればばけの皮があらはるゝにより娘に逢すとお安をあざむき人なき所へ連出し殺してくれろと長庵に頼まれたるが因果いんぐわづく中反圃にて殺した始末しまつ思ひ出してもぞつとする是等の話しを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
けれども——代助だいすけは覚えずぞつとした。彼は血潮ちしほによつて打たるゝ掛念のない、静かな心臓を想像するに堪へぬ程に、きたがる男である。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
自棄やけげるあしも、しかし、すぼまつて、そのさむいよりも悚気ぞつとした。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
人間には到底歯の立たない名前を聞くだけでもぞつとするやうな悪魔の力を嘲つたといふので人々が体をふるはせ出したのを見て、彼も口をつぐんだ。