“おのの”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
77.5%
12.9%
5.0%
戦慄2.5%
0.7%
0.7%
0.4%
震慄0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その刹那、ふるおののく二つの魂と魂は、しっかと相抱いて声高く叫んだ。その二つの声は幽谷にむせび泣く木精こだまと木精とのごとく響いた。
愛と認識との出発 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
そして、はては四次元が三次元に、また二次元にと、ついには外界のすべてが、自分自身の中へ沈潜してゆくのではないかと、おののかれたのである。
人魚謎お岩殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
その中には彼の若い妻もいた。口には抑えているが、心のうちの淋しさは思いやられるのである。抱かれておののく彼女の肢体したいがそれを語っていた。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
ただ僧徒らに何らの抗意なく、いたずらに戦慄おののけるのみなると、さきには陰地かげじに立てりし妙念の、今ところを異にして月色の中に輝けると異る。
道成寺(一幕劇) (新字新仮名) / 郡虎彦(著)
恐ろしい予感が刻々迫って来て、こういう悲惨を聞く日があるのを予期しない事はなかったが、その日の朝刊の第一面の大活字を見た時は何ともいい知れないおののきが身体中からだじゅうを走るような心地ここちがした。
最後の大杉 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
わずかに手を解き、おとがいで襟を探って、無性ぶしょうらしくつまみ出した、指のつめの長く生伸はえのびたかと見えるのを、一つぶるぶるとって近づき、お伽話とぎばなしの絵に描いた外科医者というていで、おののく唇にかすかに見える
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
日をひと日おののきぬ、かくてまただに立て得じ。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
めよ止めよと震慄おののきけり
鬼桃太郎 (新字新仮名) / 尾崎紅葉(著)