おのの)” の例文
閃々、たがいに白虹はっこうを描き、鏘々しょうしょう、共につばおののき鳴らす。——そして魏延の足が劉璋へ近づこうとすれば張任の眼と剣は、きっと、玄徳へ向って、殺気をはしらせた。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わずかに手を解き、おとがいで襟を探って、無性ぶしょうらしくつまみ出した、指のつめの長く生伸はえのびたかと見えるのを、一つぶるぶるとって近づき、お伽話とぎばなしの絵に描いた外科医者というていで、おののく唇にかすかに見える
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)