“無性”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
むしょう68.4%
ぶしょう16.5%
むしやう7.6%
ぶしやう5.1%
ぶしよう1.3%
むしよう1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
だが、愛の巣のあったと思うところには、赤ちゃけた焼灰ばかりがあって、まだ冷めきらぬほとぼりが、無性むしょうに彼の心をかき乱した。
棺桶の花嫁 (新字新仮名) / 海野十三(著)
この時、阿Qはひじを丸出しにして(支那チョッキをじかに一枚著ている)無性ぶしょう臭い見すぼらしい風体で、お爺さんの前に立っていた。
阿Q正伝 (新字新仮名) / 魯迅(著)
彼女は無性むしやうになつかしくなつた。情味の籠つたおつかさまのおつしやり方が涙を誘つたのか。もつと大きな人生の暖みと云ふことが心をそゝつたのか。
夜烏 (新字旧仮名) / 平出修(著)
掃除好きでもない代り、また決して無性ぶしやうでもない。洗濯も怠らず針仕事や編物も嫌ひではないと云ふやうな奧さんである。
或夜 (旧字旧仮名) / 永井荷風(著)
不平の左門は寝坊で無性ぶしようで東洋的な虚無家であつた。本来無東西的な陰性なオプチミスムを愛用し、積極的な情熱の虚偽を蔑みながら愛してもゐた。
母を殺した少年 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)