“むしょう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
無性73.0%
無上14.9%
無精5.4%
霧消2.7%
無償1.4%
無生1.4%
霿淞1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
長老は無性むしょうになりぬ。そのとき、近所の者どもは寺の客殿の上に火の手上がりたるを見、火事ありと思いておびただしくせ集まれり。
迷信解 (新字新仮名) / 井上円了(著)
お千代は平生へいぜい妹ながら何事も自分より上手うわてと敬しておったおとよに対し、今日ばかりは真の姉らしくあったのが、無上むしょううれしい。
春の潮 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
すなおに——しとやかに——さりながらやたら無精むしょうにかきまわす事の出来ない厳かさを持って居る。
再び乾雲を呼びよせて火事装束に鼻を明かしてやりたいが雲煙霧消むしょう、従来のことはすっぱりと忘れて改めてこの左膳を味方にお加えくださる気はござらぬか。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
父の旧式水泳場をこの材木堀に無償むしょうで置いてくれ、生徒を世話してくれたり、見張りの船をいでくれたりして遠巻きに自分にからまっている材木屋の五十男貝原を見直して来た。
渾沌未分 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
私の恋敵こいがたきが、相手もあろうに生きた人間ではなくて、いかに名作とはいえ、冷い一個の人形だと分りますと、そんな無生むしょうの泥人形に見返られたかと、もう口惜しくて口惜しくて
人でなしの恋 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
〔凝リテ花ヲ成サザルハ霿淞ニ異ナリ/著来シテ物物おのオノ容ヲ異ニス/柳条ハ脆滑ニシテ蓴油ノゴトクなめラカナリ/松葉ハ晶瑩ニシテ蛛網ノゴトクヅ/氷柱四檐繖角ニ垂レ/真珠万点裘茸ニ結ブ/詩人何ゾ管セン休徴ノ事/奇景ノアタリニ驚ク老イニ至リテ逢フトハ〕あんズルニ曾南豊そうなんほうノ集中ニ霿淞むしょうノ詩アリ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)