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無上
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むしょう
ふりがな文庫
“
無上
(
むしょう
)” の例文
そして警句が出れば出る程、忘れる筈の一件が
矢鱈
(
やたら
)
無上
(
むしょう
)
に込み上げて、いくら振り落そうと
藻掻
(
もが
)
いても始末に悪い事になるのだ。
The Affair of Two Watches
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
お千代は
平生
(
へいぜい
)
妹ながら何事も自分より
上手
(
うわて
)
と敬しておったおとよに対し、今日ばかりは真の姉らしくあったのが、
無上
(
むしょう
)
に
嬉
(
うれ
)
しい。
春の潮
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
牀
(
ゆか
)
は低いけれども、かいてあるにはあった。其替り、天井は
無上
(
むしょう
)
に高くて、而も
萱
(
かや
)
のそそけた屋根は、
破風
(
はふ
)
の脇から、むき出しに、空の星が見えた。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
彼はそう思うとスラッグが
無上
(
むしょう
)
に憎くなって来た。奴は
此
(
こ
)
の数ヶ月と云うもの
幾度
(
いくたび
)
仕事の邪魔をしたか知れやしない。だが
何
(
ど
)
うして仕事を予め感付いたろう。
赤い手
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
滅多
無上
(
むしょう
)
に水を
掻
(
か
)
き、水を蹴り、一
寸
(
すん
)
でも一尺でも、スクリュウから遠ざかることを忘れませんでした。
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
自分も一台の
俥
(
くるま
)
に乗りながら、何は載ったか、何は……ソレ、あの、何よ……と、
焦心
(
あせ
)
る程尚お想出せないで、何やら分らぬ手真似をして独り
無上
(
むしょう
)
に車上で騒ぐ。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
老拱は叩かれたのが
無上
(
むしょう
)
に嬉しいと見え、酒を一口がぶりと飲んで小唄を細々と唱いはじめた。
明日
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
東京にゐても夕方になるとそは/\して
無上
(
むしょう
)
に茶屋酒が恋ひしくなると云ふ年頃の二人が、パンの会以来久し振りに旅先で落ち合つたのだから溜らない。
青春物語:02 青春物語
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
ゆくりない日が、半年の後に再来て、姫の心を
無上
(
むしょう
)
の歓喜に引き立てた。其は、同じ年の秋、彼岸中日の夕方であった。姫は、いつかの春の日のように、坐していた。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
「何だか分りませんわ。こんなに花に包まれていて、私は
無上
(
むしょう
)
に淋しい気がいたします。来てはならない所へ来た様な、見てはならないものを見ている様な気持なのですわ」
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
そういう次第だから、作おんなのお増などは、
無上
(
むしょう
)
と民子を
小面
(
こづら
)
憎がって、何かというと
野菊の墓
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
学科は
何時迄
(
いつまで
)
経
(
た
)
っても面白くも何ともないが、
譬
(
たと
)
えば競馬へ引出された馬のようなもので、同じような青年と一つ
埒入
(
らちない
)
に鼻を列べて見ると、
負
(
まけ
)
るのが
可厭
(
いや
)
でいきり出す、
矢鱈
(
やたら
)
に
無上
(
むしょう
)
にいきり出す。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
それを考えると、私は
無上
(
むしょう
)
に怖くなって、いきなり浴場を逃げ出したものであります。
湖畔亭事件
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
彼を
無上
(
むしょう
)
に嬉しがらせたことは申すまでもありませんが、その感じは、嬉しいというよりは、
一
(
いっ
)
そ馬鹿馬鹿しく、馬鹿馬鹿しいというよりは、何となく胸がからっぽになった様な
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
変だぞと思うと
無上
(
むしょう
)
に怖くなって来た。
一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
無
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
上
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
“無上”で始まる語句
無上呪
無上権
無上法悦
無上涅槃
無上菩提
無上正徧知
無上正等覚
無上正等正覚
無上寶聚不求自得