『The Affair of Two Watches（ジ　アフェア　オブ　トゥー　ウォッチイズ）』

何でも十二月の末の、とある夕暮の事だった。 晴れるとも曇るとも思案の付かない空が下界を蔽い、本郷一帯の高台を吹き廻る風はヒューヒュー鳴って、大学前の大通りを通る程の物が、カサカサと乾涸らびた微かな音を立てゝ居た。 此の辺の道路は雨が降ると溝 …

著者	谷崎潤一郎
ジャンル	文学 > 日本文学 > 小説 物語
初出	「新思潮」1910（明治43）年10月号
文字種別	新字新仮名
読書目安時間	約27分（500文字/分）
朗読目安時間	約45分（300文字/分）

作品に特徴的な語句

抗（かな） 上（うわ） 了（ちま） 失（なくな） 前屈（まえかゞ） 好（え） 遠（どお） 口端（くちはた） 如何（いかゞ） 解（ほぐ） 面（づら） 偶（たまた） 動（やゝ） 観念（あきら） 購求（もとめ） 噫（おくび） 彼（あ） 拈（ね） 毎（つね） 私（わし） 言（こと） 一角（ひとかど） 乾涸（ひか） 協（あわ） 恐慌（パニック） 抗（さから） 文（もん） 晩（おそ） 母親（おふくろ） 無上（むしょう） 瓶（かめ） 略（ほゞ） 睨（ね） 石鹸（シャボン） 粋（すい） 茲（こゝ） 衝突（ぶつか） 記憶（おぼ） 詰（なじ） 頤（おとがい） 三馬（さんば） 乙（おつ） 亙（わた） 仇（あだ） 仰山（ぎょうさん） 伝法（でんぽう） 俯向（うつむ） 億劫（おっくう） 先途（せんど） 判然（はっきり） 剣幕（けんまく） 午（ひる） 又候（またぞろ） 口調（くちょう） 可笑（おか） 台辞（せりふ） 叱言（こごと） 合壁（がっぺき） 呆（あき） 啣（くわ） 嘸（さぞ） 噤（つぐ） 如何（いか） 孰（いず） 寄席（よせ） 寝惚（ねぼ） 待（ま） 徒（いたず） 復（かえ） 急（せ） 愛嬌（あいきょう） 慳貪（けんどん） 所作（しょさ） 措（お） 故意（わざ） 日外（いつぞや） 春水（しゅんすい） 更（ふ） 楊枝（ようじ） 洋傘（こうもり） 浚（さら） 溝泥（どぶどろ） 火急（かきゅう） 爾来（じらい） 牛鍋（ぎゅうなべ） 猥褻（わいせつ） 獰猛（どうもう） 玄徳（げんとく） 甞（な） 生憎（あいにく） 甲高（かんだか） 相好（そうごう） 真紅（まっか） 矢鱈（やたら） 空（そら） 突（つ） 突飛（とっぴ） 端唄（はうた） 紙幣（さつ） 絃（いと）