“台辞”のいろいろな読み方と例文
旧字:臺辭
読み方割合
せりふ89.2%
ぜりふ10.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼は両眼りょうがんをカッと見開き、この一見意味のない台辞せりふきちらしていたがやがてブルブルと身震みぶるいをすると、パッと身をひるがえして駈け出した。
西湖の屍人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「すっかりうまくいったわ。」ただ一つ彼女は、他人の台辞せりふはもっと削ってもらいたく、自分のは削らないようにしてほしいだけだった。
ところで、何でも、その桜の枝と、瓢箪が、幇間の手に渡るのをきっかけに、おのおのにぎやかなすて台辞ぜりふで、しも手ですか、向って右へ入ると、満場ただ祇園の桜。
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それからまたあの前日の会見の台辞ぜりふといい、半次の日常生活といい、十六貫もあろうというお千の身体を大木に吊り下げたといい、半次を真犯人と断定する材料は決して少くなかった。
棺桶の花嫁 (新字新仮名) / 海野十三(著)