“賑”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
にぎ51.2%
にぎや27.4%
にぎわ10.2%
にぎやか6.2%
にぎは2.8%
にぎわい1.0%
にぎお0.3%
すく0.1%
にい0.1%
にぎはひ0.1%
にぎはへ0.1%
にざ0.1%
ニギハ0.1%
ハヤ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「鹿島がよろこぶだろう」新五兵衛は頷きながらそういった、「……だいぶ熱心にすすめていたから、この家もにぎやかになっていい」
日本婦道記:小指 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「でもあの辺はうございますのね、周囲まわりがおにぎやかで」おゆうはじろじろお島の髷の形などを見ながら自分のあたまへも手をやっていた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
天王寺の前から曲れば、この三崎北町さんさききたまちあたりもまだ店が締めずにある。公園一つを中に隔てて、都鄙とひそれぞれの歳暮さいぼにぎわいが見える。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
にぎやかじゃあるし、料理が上手だからおかずうまいし、君、昨夜ゆうべは妹たちと一所に西洋料理をおごって貰った、僕は七皿喰った。ははは
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
夜なかすぎになると、市のにぎはひにみんな疲れて、農夫たちは帰つていき、町人たちは寝こみました。エミリアンもぐつすり眠りました。
エミリアンの旅 (新字旧仮名) / 豊島与志雄(著)
浅草奥山のにぎわいは今も昔も変りがなく、見世物小屋からは景気のよい囃子の音が聞こえてきた。恐ろしいような人出であった。
大捕物仙人壺 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
一年間のこの鳥籠の歴史はほぼこういう風の盛衰であったが、その後別に飼うて居った三、四羽のカナリヤをこの籠の中へ入れたので、忽ち病室の外がにぎおうて来た。
病牀苦語 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
〔評〕南洲、顯職けんしよくに居り勳功くんこうふと雖、身極めて質素しつそなり。朝廷たまふ所の賞典しやうてん二千石は、こと/″\く私學校のつ。貧困ひんこんなる者あれば、のうかたぶけて之をすくふ。
ポン・トオ・シァンジュ、花市はないちの晩。風のまにまに、ふはふはと、夏水仙のにほひ、土のにほひ、あすはマリヤのお祭の宵宮よみやにあたるにいやかさ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
永く祈らん斗満とまにぎはひ八十三老白里
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
(中略)今は七月十三日十二月二十八日兩度の市のみ存せり。七月は盆供の品々を商ひ、極月は年始の飾物を商ふ。近里の人々輻輳してにぎはへる也。此の市立いちたてには禳災やくはらひと稱し、餅を賣るもの多し。
悪魔はおかしさをこらえてましてきっていましたが、今こうして、ハイカラな洋服の紳士の頭にのっかって、にざやかな大通りを通ってるうちに、非常に愉快な得意な気持ちになって
不思議な帽子 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
当麻のムラは、此頃、一本の草、一塊ヒトクレの石すら、光りを持つほど、ニギハひ充ちて居る。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
とり挙ぐる棟梁ムネウツバリは、此家長の御心のハヤしなり。
日本文学の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)