“にい”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ニイ
語句割合
77.9%
義兄12.5%
新居1.4%
1.0%
従兄1.0%
兄哥1.0%
0.5%
師兄0.5%
阿兄0.5%
從兄0.5%
0.5%
仁位0.5%
0.5%
家兄0.5%
情夫0.5%
0.5%
長兄0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ひるすこしまえにはもう二人ふたりにいさんが前後ぜんごして威勢いせいよくかえってた。一人ひとりにいさんのほう袖子そでこているのをるとだまっていなかった。
伸び支度 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「あんまりのぼせかへつたのよ。もう、これから戦争がないだけでも清々していゝわ。でも、よく義兄にいさんは兵隊にとられなかつたわね?」
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
或は真名橋杉を伐ったためではなかろうかといって、新たに今ある木を植えて、古い名を相続させ、それを木の神として尊敬しております。(老樹名木誌。愛媛県新居にい郡飯岡村)
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
にいさん、どうせ乗って往きや」
朝倉一五〇 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
従兄にいさんは居る? と青野のことを聞かなければならないのを忘れて、小樽はキヨトンと冬子の姿を眺めてゐた。
黄昏の堤 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
と、一人の兄哥にいさん、六代目の仮声こわいろさ。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
みんながびくびく、いちにいさん
とんぼの眼玉 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
みんながぶるぶる、いちにいさん
とんぼの眼玉 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
いや。……奥さまなんて。ねえ師兄にいさん、こないだの晩は、おまえといってくれたじゃありませんか」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ねえ師兄にいさんてば。……おちつかないのね」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
済ましてしまったんだよ。何だってあの方々は好きなように出来るんだからな。もちろん出来るんだとも。もちろん出来るんだとも。いよう、阿兄にいさん!
「この子と話しをするのは愉快だよ。ああそうだよ! 阿兄にいさん!」
あなたの行末を思ふ伯母さん從兄にいさんの深慮は、既にあの不幸當時からその事を考へてゐらしたのでせう。いつぞや伯母さんが弘一さんのお墓の前でかう仰しやいました。
(旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
あなたの行末を相當な富と地位とで固めようと心配してゐられる伯母さんや從兄にいさんに取つて、一顧の値もない事をよく承知してゐながら、そしてそれをちつとも無理だとは思はないで
(旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
かねエ入れゝば又にい送って呉れる訳にするだから、あんたも仲間と得意先が一軒え、わしも儲けを見るだアから、お互に得の有る事だから、屹度きっと送って下せえ
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
多「それじゃアにい送る事が間違ったら、千両の金を只遣ろうという書付を一本下せえ」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
仁位にい村大字曾にも字田舎及び字浜がある。ともに以前のいわゆる枝村えだむらである。これらの田舎に対立する浜はおそらくは船附場の町屋あるいは漁民部落であろう。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
これはさもありそうな事だね。にいと声に力を入れて呼んで見たが、ただ慄えているばかりだ。小川君は炕の上へ飛び上がった。
鼠坂 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
家兄にいさん、小田原の姉様ねえさんが参りました。」としとやかに通ずる。これを聞いて若主人は顔を上げて、やや不安の色で。
恋を恋する人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
賭博場ばくちばころげ歩き、芸妓屋の情夫にいさんになったり、鳥料理とりやの板前になったり、俥宿の帳附けになったり、かしらの家に厄介になったり、遊女おいらんを女房にしたりしているうちに
ポン・トオ・シァンジュ、花市はないちの晩。風のまにまに、ふはふはと、夏水仙のにほひ、土のにほひ、あすはマリヤのお祭の宵宮よみやにあたるにいやかさ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
「とよ子さんは矢張り長兄にいさんの所にいるのが順席ですよ。そしてお母さんもなんとか早く故郷に帰えられなくちゃお差支えでしょう」
草藪 (新字新仮名) / 鷹野つぎ(著)