“いとこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:イトコ
語句割合
従兄17.3%
従弟17.0%
従兄弟15.9%
従妹13.5%
従姉8.3%
従兄妹6.5%
従姉妹3.1%
從兄3.1%
從兄妹3.1%
從妹3.1%
(他:40)9.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼女から見た僕は、おころうが泣こうが、しなをしようが色眼を使おうが、常に変らない従兄いとこに過ぎないのである。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
昨夜麻布あざぶの方に、近ごろ母子三人で家を持っている父親が、田舎から出て来たお銀の従兄いとこと連れ立ってやって来た。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
をりから、従弟いとこ当流たうりうの一とゝもに、九州地しうぢ巡業中じゆんげふちう留守るすだつた。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
従弟いとこつまは、はなしながら、こみあげ/\我慢がまんしたのを、ときないじやくりしてつた。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
近づいて見れば、叔父の三吉も、従兄弟いとこの正太とそう大した変りが無い……低い鋭い声で、こう語り聞かせているだろうか。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
すなわち、孔明は蜀に、兄のきんは呉に、従兄弟いとこたんは魏に。そして誕のことは余りいわれていないが、一書に、
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たとい一分間でもこの従妹いとこを、注意の中心として、みんなの前に引き出そうとする努力のあとさえありありと見えた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「もう一つ頼みというはねえ、お爺さん、その嘉助に一人娘があるんだがなあ、おいらには従妹いとこに当るってわけなんだが」
大菩薩峠:31 勿来の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
このまま、今度の帰省中ころがってる従姉いとこうちへ帰ってもいが、其処そこは今しがた出て来たばかり。
国貞えがく (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
彼女は用心深く彼の視線をそらしつゝ何気ない世間話の中へ彼女の従姉いとこの不幸な結婚の話を細々こま/\と織り込んでいつた。
静物 (新字旧仮名) / 十一谷義三郎(著)
従兄妹いとここひし合つて、青木さんの境遇きやうぐうにすれば多少たせう早過はやすぎもしたのであつたが
(旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
とお延は正太に挨拶あいさつした。従兄妹いとこ同志の間ではあるが日頃正太のことを「兄さん、兄さん」と呼んでいた。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
剛子がキャラコの下着シュミーズをきているのを従姉妹いとこたちに発見され、それ以来、剛子はキャラ子さんと呼ばれるようになった。
キャラコさん:01 社交室 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
その人柄、風采とりなり、姉妹ともつかず、主従でもなし、親しい中の友達とも見えず、従姉妹いとこでもないらしい。
霰ふる (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「お舟のところに居候ゐさふらふしてゐる和助——從兄いとことか何とかいふ、不景氣な野郎を親分は知りませんか」
彼奴あいつ從兄いとこころしたゆゑ、うつくしい戀人こひゞとが、愁歎しうたんあまりにおにゃったといふこと。
窓の外の櫻を眺めながら、從兄妹いとこ同士ではあるにしても、女房持ちの眞太郎を、自分の部屋に呼ぶ態度は容易ではありません。
鶴吉の方でなか/\離さないこと、お優との間は平凡な從兄妹いとこ同士で、それ以上に深い關係などがあらうとは思はれないこと、——それから
「これも主人徳右衞門の古い知合で、紋三郎といふ腕のいゝ彫物師ほりものし、母親は徳右衞門の從妹いとこで、お町と言つたさうです」
「駈落なんてえのは馬鹿のすることだよ。本所の叔母さんとか、湯島の從妹いとことかのところへ行つてゐるんだらう」
從兄弟いとこの製造技師は無學文盲の爲めに他人にのせられ易いし、會計掛りとして遣はした弟はまだ學生あがりで本統の役には立たない。
泡鳴五部作:03 放浪 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
同時どうじに、一藝いちげいたつした、いや——從兄弟いとこだからグツとわりびく——たづさはるものの意氣いきかんじた。
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
じつ名古屋なごやゆきにてゐた琉球りうきうだつて、月賦げつぷ約束やくそくで、その從姉いとこかほ
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
私の從姉いとこ達は嬉しさで一ぱいになつて、セント・ジョンの無口を壓倒する程、雄辯に話したり論じたりした。
初對面しよたいめん從姉妹いとこと、伯父をぢさんぐらゐにおもつてたのに。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
木犀もくせい可愛かはい從姉妹いとこの匂、子供の戀、眞味を飾る微笑ほゝゑみ
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
「ある。これは赤塚家に傳はつた、つゐの脇差の一本だ。拙者のでなければ、從弟いとこの赤塚三右衞門のものだ」
「申上げても一向に差支ないと存じます。——當家の主人三右衞門樣の從弟いとこに當られる山浦甚六郎樣」
しかし、子供たちは初めて会った従姉弟いとこ同士なので、親たちの声を耳にも入れずまたすぐ階段を馳け上っていった。
比叡 (新字新仮名) / 横光利一(著)
それはただ従姉弟いとこ同志だから、という理由からであった。
彼は誰を殺したか (新字新仮名) / 浜尾四郎(著)
「僕が宰相になったなら、張兄を南方の巡撫にし、中表いとこを参軍にしよう、我家うちの年よりのげなん小千把しょうせんはになるさ、僕の望みもそれで足れりだ」
続黄梁 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「私は幼な名を阿英あえいというのです。家には兄弟もありません。ただ外姉いとこの秦が同居しているばかりです。」
阿英 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
「第一は番頭の勘三郎、三十五にもなる獨り者で、内儀の遠縁とかまた徒兄いとこに當ると言ひますから、主人の山三郎にうらみがないとは言へません。好い男で、若い頃は道樂がひどく、親類の餘され者だつたさうですが、姉のやうに世話になつて來た、巴屋の内儀に引取られて、今では神妙に帳場に坐つてをります」
女房は早く亡くなつて、女房の姪のお絹といふのを十年も前から養つてをりますが、これが年頃になるとピカピカするほどのきりやうになり、金のありさうな大店おほだなの二男坊を養子にと心掛けてゐるうち、このお絹は遠い徒弟いとこで、小橋屋へ足繁く出入りする、伊三郎といふ若い男と出來てしまつたのです。
東京で私が姉妹きょうだいのようにした、さるお嬢さんの従兄子いとこでね、あの美術、何、彫刻師ほりものしなの。
伊勢之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
叔母や従同胞いとこ共も亦、叔父を愛してはゐなかつた様である。
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
時としては、従同胞いとこ共が私の家へ遊びに来る。
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
わたし従姉兄いとこに当たりますの」
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
病中病中といっていたが不審のかどがあるので、従弟妹いとこにあたる娘をおどかしてついに真相を聞き出したというのである。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おもに謝肉祭の花合戦に恋人同志が投げ合うのですが、首と手足の太い英吉利イギリス女なんかがそのまま故国くに従柿妹いとこへ郵送出来るように、一、二輪ずつ金粉煙草ゴウルド・フレイクスの空缶へはいって荷札までついていて、値段は五十フランです。
踊る地平線:09 Mrs.7 and Mr.23 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
「では、あなた方は、三人とも、私の從兄姉いとこでゐらつしやるのですね。私たちお互の血の半分は、一つのみなもとから流れて來てるのですね?」
しかし私は堅く決心してゐたので——私の從兄姉いとこたちはとう/\、私がたゞ財産を分けるといふことのみに、眞實變ることなく心をめたのを合點がてんしたので——また彼等自身の心にも
「貰うなら、貰うで、糸子いとこでも何でも勝手な人を貰うがいいやね。こっちはこっちで早く小野さんを入れてしまうから」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「よっぽど男らしくない性質たちですね。それより早く糸子いとこさんでももらってしまったら好いでしょうに」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)