從兄妹いとこ)” の例文
新字:従兄妹
窓の外の櫻を眺めながら、從兄妹いとこ同士ではあるにしても、女房持ちの眞太郎を、自分の部屋に呼ぶ態度は容易ではありません。
伯母さまは、昨夜あんたがお夕飯に下りていつた時に、私の寢床ねどこに來て、私が朝、伯母さまや從兄妹いとこたちを騷がせるには及ばないと云つたんですもの。
ほかには、さう/\手代の新六郎、これは私のをひで、お絹とは從兄妹いとこ同士、十二の時孤兒みなしごになつて、それから十年もの間この家で育つてゐる。
從兄妹いとこだと分つてから後、どれ位の間その人やその妹達と一緒に住んでゐたのです?」
「實はね親分、從兄妹いとこ同士だけれども、私の娘のお信と一緒にして、末長く見て貰ふ筈でしたよ。足は惡かつたが、智慧のたくまましい、良い男で——」
「あなたには親切な伯母さまと從兄妹いとこたちがありますよ。」
お辰とは從兄妹いとこ同士で、知らない仲では御座いませんが、一緒になつたのは、先代に不意の事があつて、一と月も經つてから始まつた話で御座います。
「これは人の命にもかゝはる大事なことだ、——外でもない、手代の春之助、お前とは從兄妹いとこ同士ださうだが、あの男が近頃變な素振りを見せなかつたか」
「お舟と和助も、從兄妹いとこ同士か何かだ。二人づつ相談して口を合せたら、どんな嘘でも通るぢやないか」
「待つてくれ、そのお才さんに逢ふ約束といふのを訊き度いが、——從兄妹いとこ同士でも、若い男と女だ」
遠い從兄妹いとこ同士だし、無類の堅造かたざうだから、女のゐない國へ行きたいやうな顏をしてゐるでせう。
「すると、お孃樣と、手代の新六郎さんと、かゝうどのお銀さんは、從兄妹いとこ同士になるわけで?」
義父丹後守の歿後ぼつごは、御小姓組御番頭と役附にはなりましたが、一面、丹後守の娘で、自分とは從兄妹いとこの間柄なる本妻の綾野あやのを嫌ひ、到頭一年經たないうちに、柳橋藝者のお勝を
「え、本當は從兄妹いとこ同士なんです。でも兄妹といふことにして育てられましたが——」
お粂が自分から飛出せば、菊之助とお勇は丁度良い配偶つれあひぢやないか。二人一緒になれば、從兄妹いとこ同士で越前屋が立てられる。勝造は娘の出世になることだから、自然遠退くだらう。
「へエ——、遠い從兄妹いとこ同士ですが、來年の春は祝言することになつてをります」
てつで短氣ではあるが、町中の評判の良いことから、師匠の鶴吉とはくされ縁で、本人は手を切りたがつてゐるが、鶴吉の方でなか/\離さないこと、お優との間は平凡な從兄妹いとこ同士で
厄明やくあけの來年は、從兄妹いとこ同士の許婚いひなづけ、新六郎と祝言しうげんさせて、幸ひ賣りに出てゐる同業札差の株を千兩といふ大金を積んで買はせ、一軒の家まで持たせてやることに話がきまつてゐるところを
「結局、娘が綺麗過ぎて、片思ひの男が町内だけでも二三十人居るから、殺し手が多過ぎて困るが、弓で射殺されたとなると、矢は母屋から射込まれたに違げえねえから、從兄妹いとこ同士のくせに、お通に夢中になつて居る鐵之助の外には下手人は無いことになるよ」