“逞”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たくま67.1%
たく22.8%
たくまし7.9%
たくましゅ1.7%
たくましう0.2%
たくましゅう0.2%
ふと0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
T君は勿論もちろん僕などよりもこう云う問題に通じていた。が、たくましい彼の指には余り不景気には縁のない土耳古トルコ石の指環ゆびわまっていた。
歯車 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
死骸になつて居る左吉松は、『喧嘩』といふ綽名あだなを取つて居るだけに、小造りではあるが、三十五六の、申分なくたくましい男でした。
その事なれば及ばずながら、某一肢の力を添へん。われ彼の金眸きんぼう意恨うらみはなけれど、彼奴きゃつ猛威をたくましうして、余の獣類けものみだりにしいたげ。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
然うなら訊いても駄目だ。こんな風に僕はなお種々いろいろと憶測をたくましゅうしたが、要するに成行を待つ外はないという極めて平凡な結論に達した。
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
そこをヘツリながら登るので、ヘエヅル山の称が起り、しまいに景鶴山となったのであるというのが臆測をたくましうして到達した私の結論である。
利根川水源地の山々 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
吾輩の講演を依頼する向きがソレ以来、激増して来たのには面喰った。一時は、お座敷がブツカリ合って遣り繰りが付かないほどの盛況をたくましゅうしたもんだ。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
原罪のふとい映像にうち貫かれた両の眼に、みじろぎもなく、氷雪いちめんの深いひづみをたたえて秘かに空しくあれば、清浄といふ、己はもうあの心にも還る事はできないのだ。
逸見猶吉詩集 (新字旧仮名) / 逸見猶吉(著)