“嵌”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
70.1%
はま26.4%
はめ1.0%
0.5%
はさ0.5%
あては0.3%
かん0.3%
すが0.3%
つぐ0.3%
0.3%
(他:1)0.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ともよは湊が中指にめている古代埃及エジプト甲虫スカラップのついている銀の指輪さえそういうときは嫌味に見えた。
(新字新仮名) / 岡本かの子(著)
それは錦襴地きんらんじの色のめた紙入であるが、開けてみると長方形の小さな鏡がんであるのが目につく。
しかもその甲なら甲の形なり程度なり色合いろあいなりが、ぴたりと兄さんの思う坪にはまらなければうけがわないのです。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
……それから今一つ、兇器の柄がシッカリはまっていない事を、犯人は最初から気附かずにいたものでしょうか。どうでしょうか。
巡査辞職 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
博士の手によって、電極がベラン氏の足の裏を押すように差込まれた。硝子の底蓋そこぶたはめられた。接合面のふちに、グリースらしきものが塗られた。
宇宙尖兵 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そのころ、神月に送った手紙の束が、別荘の大谷石の壁暖炉の、はめこみになったところに放りこんであることを知っていたが、どんなに頼んでも、返してくれなかった。
あなたも私も (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「あたいね、先刻から考えていたんだけれど、こんな立派な入歯をおれになっても、おじさまは、お年だから間もなく死ぬでしょう。」
蜜のあわれ (新字新仮名) / 室生犀星(著)
その小包を開いて見ると、細い額椽がくぶちれた、八号ばかりの油絵と、一冊の本とが這入っていた。
仙人掌の花 (新字新仮名) / 山本禾太郎(著)
この流れよりは、諸〻の生くる火出でゝ左右の花のなかに止まり、さながら紅玉あかだま黄金こがねはさむるに異ならず 六四—六六
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
余は呆気あっけにとられた。八年前秋雨あきさめの寂しい日に来て見た義仲寺は、古風なちまたはさまって、小さな趣あるいおりだった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
今日の社会制度は大体において階級本能の盛んであった頃にでき上ったものゆえ、この本能をなお多量に備えている人間の考えたり行なうたりすることはちょうどよくそれにあてはまる。
人間生活の矛盾 (新字新仮名) / 丘浅次郎(著)
それゆゑ碩学鴻儒の故居には往々銅牓どうばうかんしてこれを標する。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
可いかい、それを文庫へしまって、さあ寝支度も出来た、行燈あんどう雪洞ぼんぼりに移して、こいつを持つとすッと立って、絹の鼻緒のすがったかさね草履をばたばた、引摺って、派手な女だから、まあ長襦袢ながじゅばんなんかちらちちとしたろうよ。
湯女の魂 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
勘次かんじくちつぐんではしさき馬鈴薯じやがいもした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
お柳の豊かな髪が青貝をちりめた螺鈿らでんの阿片盆へ、崩れ返った。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
箆棒べらぼう、おつめんなもんぢやねえ、それだらぜにせよぜに、なあ、ぜにさねえつもりすんのが泥棒どろぼうよりふてえんだな、西にしのおとつゝあ躊躇逡巡しつゝくむつゝくだから、かたで」
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
博勞ばくらうなんちい奴等やつら泥棒根性どろぼうこんじやうくつちや出來でき商賣しやうべえだな、ちくらつぽうんぬいて、兼等かねらりや、れことせえおつめるつもりしやがつて」かね博勞ばくらう向側むかうがはから戯談じようだんらしい調子てうしでいふと
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)