“ば”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:
語句割合
21.3%
18.6%
9.8%
8.4%
4.2%
3.2%
3.2%
3.0%
2.9%
穿2.5%
2.5%
1.8%
1.7%
1.5%
1.2%
1.0%
0.8%
0.7%
0.7%
祖母0.6%
0.6%
0.6%
0.6%
0.6%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
四日許0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
暴露0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
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0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ところで——番町ばんちやう下六しもろく此邊このへんだからとつて、いし海月くらげをどしたやうな、石燈籠いしどうろうけたやうな小旦那こだんなたちが皆無かいむだとおもはれない。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
彼等の忠告のすぐその後で、すぐその場へ行くといふ事が、彼等に対する憤懣の唯一のであり、彼等にむくいる唯一の道なんだ!
良友悪友 (新字旧仮名) / 久米正雄(著)
潰してはいられないぞ。三つ股の兄哥あにき、この道人を引っくくってくれ。寺社のお係りへ渡して、いわしくわえさして四つんいに這わしてやる
見渡すかぎり蒼茫そうぼうたる青山の共同墓地にりて、わか扇骨木籬かなめがきまだ新らしく、墓標の墨のあと乾きもあえぬ父の墓前にひざまずきぬ。
父の墓 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
いちばん上のエゾマツドリが、シス、シス、シスとやっているあいだに、すぐその下にいる三がいっしょになって歌いだしました。
硝子箱がらすばこへ物を入れたように中の品物が見えかねばならん。しかるに我邦の文章とか文学と言われるものは鉄板をかさりにしてある。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
一、病中かんなるを幸ひ、諸雑誌の小説を十五篇ばかり読む。滝井たきゐ君の「ゲテモノ」同君の作中にても一頭地いつとうちを抜ける出来えなり。
病牀雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
女中も物珍らしく遊びたいから、手廻しよく、留守は板戸の開閉あけたて一つで往来ゆききの出来る、家主の店へ頼んで、一足おくせにでも
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
死んださんが去年の秋のわずらいに、いよいよという際になって、わいを枕元に呼び寄せて、——伜お前は来年は厄年やぞ。
わが町 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
モヨ子の外出穿きの赤きコルク草履ぞうりが正しく並びおり、そのかたわらより蝋燭ろうそく滴下したたり起り、急なる階段の上まで点々としてつらなれり。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
吉原廓よしわらくるわの内外の弥次馬という弥次馬は、数を尽して集まってしまったから、おくせになった三人は、どうしてもその人垣を破ることができません。
大菩薩峠:17 黒業白業の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
じん、時々飛々とびとびに数えるほどで、自動車の音は高く立ちながら、鳴くはもとより、ともすると、驚いて飛ぶ鳥の羽音が聞こえた。
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それわかつてゐる。本人の病気にけ込んで僕が意趣らしに、虐待ぎやくたいでもすると思つてるんだらうが、僕だつて、まさか」
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「けちな小細工だあな。世話あねえ、綺麗にれやがった。いま犯人を揚げて見せる。みんな随いて来い。」
そればかりでなく、ウッカリ赤軍の中で、そんなものをやっていると身分がれるおそれがありますからね。
死後の恋 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
まえにってくると、呂宋兵衛るそんべえ煙草たばこ色のウブ毛がいっぱいえている大きなてのひらで、竹童の横顔よこがおを、みみずれに腫れあがるほど、三つ四つ打ちつづけた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ふうんもねえや。知れたことよ。らされたのあその芝居者こやものだ。眉毛のねえのも女形おやまなりゃこそ。何てったけのう、え、彦。」
それが縁でちょく/\遊びに来たのを茂之助さんが嫉妬やきもちをやいて、むずかしい事を言ったから話もれて仕舞って、まア示談はなしあいで離縁になったのですよ、それから斯うやって夫婦になって居ると
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ただが無いまでこうじきって、御余裕のある御挨拶を得たさの余りに申しました。今一応あらためて真実心を以て御願い致しまする。
雪たたき (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
フリイデリイケは咳をしながら、「お祖母あ様のお亡くなりになつたのは、あの黄いろい長椅子の上でございましたね」と云つた。
祭日 (新字旧仮名) / ライネル・マリア・リルケ(著)
「こら。こんなよ。触って御覧なさい。」と君江は細い赤襟をつけた晒木綿さらしもめん肌襦袢はだじゅばんをぬぎ、窓の敷居に掛けて風にさらすため、四ツいになって腕をのばす。矢田はその形を眺めて
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
鶴は洗面所でうがいして、顔も洗わず部屋へ帰って押入れをあけ、自分の行李こうりの中から、夏服、シャツ、銘仙めいせんあわせ兵古帯へこおび、毛布、運動靴、スルメ三、銀笛、アルバム
犯人 (新字新仮名) / 太宰治(著)
笑うと、ちょいと開いた唇の間から、真白な糸切いときがニッと出てくるのが、また何とも云えない程可愛らしく見えた。
恐しき通夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「なるほど」と、半七は思わずほほえんだ「それから其の隠居所の、お此さんのいる六畳の部屋で、近い頃に障子の切りりでもしたことはありませんかえ」
半七捕物帳:13 弁天娘 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
さんが突掛つっかけ草履で、片手を懐に、小楊枝を襟先へ揉挿もみさしながら、いけぞんざいに炭取をまたいで出て、敷居越に立ったなり、汚点しみのある額越しに、じろりと
菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
彼女はるロンドンの下町から地下鉄やバスに乗って、此の男達に連られて来たのであった。
決闘場 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
「あの連中だって、つけの理屈をならべるよりか、りんごを食ったり、歌をうたったりするほうが実はおもしろいんだよ。ふふふ。」
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
大隅学士は何思ったか、つンいになると、カーテンの蔭からソッと匍いだした。
地球盗難 (新字新仮名) / 海野十三(著)
五分苅ごぶがりではない五分えに生えた頭の十八か九の書生のような僮僕どうぼくのような若僧が出て来た。
観画談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
これまで人をかす誑かすと言ひ慣らはして来た狸が、馴れてみると、決して誑かすものでないといふ事を知るのは、「真理」の下僕しもべだと言つてゐる学者が
其儀なら、当時大樹公ニも御出京ニ相成居候事故、鞆津直様御上坂可成筈ニ候。将御出発後ハ唯貴方の御用のミ御達し被成、私共困難の事件者時日を御延し被成候。是不解の第一ニ候。
貴郎あなたわたしをいぢめさうとさるので御座ござんすか、わたしはそも/\から貴郎あなたげたものなれば、くゝばつてくだされ、ころしてくだされ、此處こゝわたしなれば、ころされても此處こゝ退きませぬ
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
私達の背後うしろには、食堂の真ん中の空地あきうずめてね仕掛けのように踊る人々と、紐育ニューヨーク渡りのバワリイKIDSのジャズ・バンドとがあった。彼らの三分の二は黒人だった。
踊る地平線:11 白い謝肉祭 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
「ぢいさん/\大変なものが舞ひ込んだ。おけが来た。早く此処へ来て戸を閉めて下さい。私はこはくて、もう足も腰もかなはない。」とお婆さんは呶鳴どなりました。
竜宮の犬 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
悪事を思い立つことのすやさという様な所にあったのではあるまいか、彼女は掛け金をはずして、一寸蓋を持ち上げようとした丈けで、何を思ったのか、又元々通りグッと押えつけて
お勢登場 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
あの堅い建築物と、色彩の強い装飾の中では、女のしまめしの着物がちつとも見えがしない。愛子が「あすこは椅子ですから」つて洋装で行つたのには、俺は驚いた。
畜生道 (新字旧仮名) / 平出修(著)
「何かれたのかい?」
勝ち運負け運 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
二つの手桶てをけあふるゝほどみて、十三はれねばらず、大汗おほあせりてはこびけるうち、輪寳りんぽうのすがりしゆがみづばき下駄げた前鼻緒まへばなをのゆる/\にりて、ゆびかさねば他愛たわいきやうなり
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
一尺のものを目当てに釣るに、三尺なるが懸る故にらすなり。されども、この三尺なるは、頻々ぴんぴん懸るものに非ざれば、之を挙げ得て、真の釣の楽みあるなり。
大利根の大物釣 (新字新仮名) / 石井研堂(著)
漁『仕掛は、僕の方にも有るが、もう行らない。彼是一時間かかって痿やしたものを、らすなんて、余り気の利かない話しだから、記念の為めに、今夜は帰るよ。』
大利根の大物釣 (新字新仮名) / 石井研堂(著)
「いえ、けたのに相違はありませんが、これはやはり、秀自身が妖けたのです。照子様、もしやおどかしはしませんでしたか。」
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「何ぞがけたのではございませんか。」と誰方どなたか罪の無いことをおっしゃる。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そろへ出た。武家にはどこにもある空地である。忠盛はもう馬上にあった。清盛の参加をみとめると、すぐ木工助家貞に門をひらかせ、先に立った。清盛の馬もつづく。
何事か、一大事なそうろうずらん、ただいま、院の宿直とのいより早馬にてのお召しにこそあるなれ、いそぎものつけて、そろへ渡られそうらえ。早く、はやく——と、促すのだった。
判者ハ朝野の名士五人と定めおきての事成けれバいかで撰にいらやとて人々心々のいどみなど風流の俗とやさる人々あざけらんなれどおもしろき物あらそひ成き
反古しらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
つぎて空しく成けるほどにいつしか歌の撰ハ忘にたり、取置ども濟して今日で三七日といふ日、たよりにつけて師のもとより紙ゝみ一つおくられぬ、紙の面をみれ何がし大人撰む甲とあり
反古しらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
これが非常ひじやう有効ゆうかうであつたので、(勿論もちろん先輩中せんぱいちうすで小萬鍬せうまんぐわもちゐてひとつたさうだが、それは三ぼんづめの、きはめてせうなるものまへ鍛冶屋かじやに四ほん大形おほがたのを別誂べつあつらへするなど
「千円借して四百円天ねて……判こ押してさへ居りゃ懐手で身上がふえて行くばかりだなんて、人を馬鹿にしとるなあ」
夏蚕時 (新字旧仮名) / 金田千鶴(著)
之を嘲る意味でレンゲみの岳というたことからレンゲ岳となり、それに蓮華の二字を当てた例などもあるので、く調べた上でないと信用されない。
白馬岳 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
『だからどうしたゞよ? 俺ア此頃少し急しくて四日許り來ねえでたのを、うなおこつたのげえ?』
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
もう新年が眼の前に見えるので、東京の各雑誌社では原稿のり合ひに血眼になつてゐる。
さん、こんど雪岡が来たら、そういって所帯道具などは安い物だ。後腐りのないように何もかも売ってしまうようにいって下さい。あんな物がいつまでも残っていてしょっちゅう眼についているとかえっていろいろなことを
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
お柳の豊かな髪が青貝をちりめた螺鈿らでんの阿片盆へ、崩れ返った。傴僂の鼻が並んだ琥珀こはく漢玉かんぎょくの隙間で、ゆるやかに呼吸をしながら拡がった。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
気がついたかね、赤星君、酷いめに会ったなあ、僕はよもや君が本田という学生にけているとは思わなかった。怪我をしているのは赤星刑事ですよって云われて驚いて来たんだが、——君は犯人を
鳩つかひ (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
勘次かんじあかけたつち草鞋わらぢそこ段々だん/\かうとしたときくろげたやうなあるもの草鞋わらぢさきかゝつた。けて變色へんしよくした銅貨どうくわすここゞつたやうになつたのがあしれてぞろりとはなれた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
鈴のような眼を真っ赤に泣き腫らして、屍骸ほとけの傍に坐わっていた。ちだこの見える細い指で、死人の顔を覆った白布を直しながら応えた。
けれども、万一隠密の手段を以て誘う者あり、議員また秘密の間に不正の利益を貪って後にれるの恐れもないと信ずれば、ここに不正行為が行われぬとも限らない。
「押しかけますぜ。ないしょごとはすぐ暴露れまさあね。お連れさんは誰方どなたですい。」
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
お通ははっと思ったが、自分の家へ夜昼なしにやってくる隣家のお信おさんを疑いたくはなかった。
錦紗 (新字新仮名) / 犬田卯(著)
うまやの衆は、空を見ながら、馬にを喰い込ませていた。そこここの侍部屋でも、旅装に忙しい。晴雨にかかわらずあすは岐阜へ下向げこうと、今し方、信長の側近から達しがあった。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「やっぱりッちゃ。それもお金だけとちごて、二人とも素ッ裸にしられてしもて、腰帯から足袋までもないようになるなんぞ、……」「そうでおま、そうでおま、罰でおまッせ。」
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
『怎してもうしても、今夜こんにやヤ暮れツとがら、俺アお八重さんとり歩いてだもの。』
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
「オ、いい心持でひとりで喋っていたら、とんだ空合になってきてしまった。れるな今夜は」
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
五月雨れの日を受けて白く光つてゐる。
湖光島影:琵琶湖めぐり (旧字旧仮名) / 近松秋江(著)
確定しなくっても日本人である事はきまって居るけれども、今まで隠してあった事がすっかりれてしまったです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
うす汚いあわせ袈裟けさも、夜もすがら野を歩いていたために、狐にかされた男のように草の実や露でよごれていた。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)