)” の例文
ローマのある皇帝は、立ちながら死にたがったこともあったが、スピッツは彼の平素の姿勢どおり、腹いに平伏して死にたがっていた。腹匐いが彼の生来の姿だった。
「こら。こんなよ。触って御覧なさい。」と君江は細い赤襟をつけた晒木綿さらしもめん肌襦袢はだじゅばんをぬぎ、窓の敷居に掛けて風にさらすため、四ツいになって腕をのばす。矢田はその形を眺めて
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
高倉は荷をおろしてみのを取りだした。商人は気づいて高倉の腰をおさえた。吹きとばされて四ンいになるのを喰いとめた。それが済むと、こんどは高倉が、鋸屋の風除かぜよけになった。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
四つんいになったまま、ほおっ……と一つ溜息をして気を落ち着けました。
少女地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
よついになった子供も、突発した非常の空気を感じて泣くことも出来なかった。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)