“伸”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
66.5%
のば21.9%
のび5.9%
1.5%
しん1.0%
のべ1.0%
のし0.5%
のぶ0.5%
のん0.5%
のばし0.2%
のッ0.2%
ノバ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
按摩あんまつゑちからに、かはべりの水除みづよづゝみると、つゑさき両手りやうてをかけて、ズイとこしばし、みゝそばだてゝかんがえて様子やうす、——とふ。
怪力 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
お茂與といふ美しい年増は、帶の間から紙入を出して、その中から小さく疊んだ半紙を拔き、しわのばして平次の方へ滑らせたのです。
とちょっと考えたもんだから、涎も拭かずに沈んでいると、長蔵さんが、ううんとのびをして、寝たままにぎこぶしを耳の上まで持ち上げた。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
其波の青色の末が、オノづとし上る様になつて、頭の上まで拡がつて来てゐる空だ。其が又、ふりカヘると、地平をくぎる山の外線の、立ち塞つてゐる処まで続いてゐる。
若水の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
かぜのないあたたかなでした。おみやまえしんちゃんと、せいちゃんと、そのほかおんなたちがいっしょになってあそんでいました。
仲よしがけんかした話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
かれなが時間じかん氷雪ひようせつあひだわたつたのち、一ぱいつめたい釣瓶つるべみづそゝぐことによつてこゝよよい暖氣だんきあかつたあしかんずるやうに、僅少きんせうあるものかれ顏面がんめんひがんだすぢのべるに十ぶんであるのに
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
思わず、そこへ、日向にのぼせた赤い顔の皺面しわづらで、鼻筋の通ったのを、まともに、のしかかって、ハタとける、と、さっと映るは真紅の肱附ひじつき
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
試みにるがい。一瞬の如くに過ぎ去った四十年足らずの月日を顧みた第一の句は、第二の薄才のぶもっおだやかけられるはずがない。のぶるというのは反語でなくてはならない。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
んな物を綴り合せて笑つた。あとから思へばたわいも無いが、これが、郊外を歩くのんびりした僕達の気分をその刹那せつなによく現して居た。(二月八日)
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
吾助は猶も追廻おひまはり進んでは退き退ひきては進み暫時しばし勝負は見ざりしに忠八は先刻せんこくよりこぶしにぎりてひかりしが今吾助が眼の前へ來りし時あしのばしかれが向ふずねすくひしかば流石さすがの吾助も不意を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
その内に、同じくのッつ、そッつ、背中を橋に、草に頸窪ぼんのくぼを擦りつけながら、こう、じりりじりりと手繰たぐられるていに引寄せられて、心持動いたげにございました。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
サハつても触つても、巌ばかりである。手をノバすと、更に堅い巌が、掌に触れた。脚をひろげると、もつと広い磐石バンジヤクオモテが、感じられた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)