“のん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ノン
語句割合
58.9%
21.4%
10.7%
3.6%
1.8%
1.8%
1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼女の関節ふしぶしが楽々しだした。彼女はいつにないのんびりした気分で、結婚後始めて経験する事のできたこの自由をありがたく味わった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
気に入らぬか知らぬが片栗湯かたくりゆこしらえた、たべて見る気はないかと厚き介抱かいほう有難く、へこたれたる腹におふくろの愛情をのんで知り
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
青年弁士は水ガブ/\とのんで又た手を振り始めぬ、「諸君が露西亜ロシヤ討たざるべからずと言ふけれ共ダ、露西亜の何物を討つと言ふのです」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
平次の問は、この場合いかにものんびりして居ります。
しようと無き事いはせし物なる可し夫にて思ひ合すれば先刻營業あきなひの歸りみち元益坊主の裏手を通るとには障子しやうじ開放あけはなし庄兵衞と二人してならんで酒をのんでを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
見分けんぶんするにしのびざる所なり故に此半四郎も己正直なる心より番頭久兵衞がよこしまなるを聞て立腹りつぷくし殊に又今酒をのんだる一ぱい機嫌きげんゆゑ猶々なほ/\いきどほりはげしくたゞちに油屋の見世へ踏込ふみこんで番頭久兵衞を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
五体からだのんびりして、始めてアヽ世界は広いものだと、心の底から思ひましたの、——私、老女さん、二十年前に別れた母が未だながらへて居て
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
向うは余所よその蔵で行詰ったが、いわゆる猫の額ほどは庭も在って、青いものも少しは見える。小綺麗さは、のんだくれには過ぎたりといえども、お増と云う女房の腕で、畳もあおい。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)