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呑
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のん
ふりがな文庫
“
呑
(
のん
)” の例文
「兄貴の
呑
(
のん
)
気にも、泣かされますな。すこしは、舎弟の身にもなってもらいたい。小林殿に対して、じつに顔向けならん仕儀だ。」
口笛を吹く武士
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
気に入らぬか知らぬが
片栗湯
(
かたくりゆ
)
こしらえた、
食
(
たべ
)
て見る気はないかと厚き
介抱
(
かいほう
)
有難く、へこたれたる腹にお
母
(
ふくろ
)
の愛情を
呑
(
のん
)
で知り
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
他は犬われは狐、とても
適
(
かな
)
はぬ処なれば、
復讐
(
あだがえし
)
も思ひ
止
(
とど
)
まりて、
意恨
(
うらみ
)
を
呑
(
のん
)
で過ごせしが。大王、
僕
(
やつがれ
)
不憫
(
ふびん
)
と
思召
(
おぼしめ
)
さば、わがために
仇
(
あだ
)
を返してたべ。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
「馬券で
中
(
あて
)
るのは、
人
(
ひと
)
の
心
(
こゝろ
)
を
中
(
あて
)
るより六※かしいぢやありませんか。あなたは索引の
付
(
つ
)
いてゐる人の心さへ
中
(
あて
)
て見様となさらない
呑
(
のん
)
気な
方
(
かた
)
だのに」
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
左様
(
さう
)
ですか」と篠田は暗涙を
呑
(
のん
)
で身を起しつ「誠に、恐縮に御座ります」と
襖
(
ふすま
)
開きて、慣れたる奥の
一室
(
ひとま
)
に
入
(
い
)
れり
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
▼ もっと見る
助
(
たすか
)
り給ひしと
咄
(
はな
)
しければ隱居は今迄面白く
聞居
(
きゝゐ
)
たりしが彦兵衞が
咄
(
はなし
)
を耳にも
入
(
いれ
)
ず勝手へ
立
(
たつ
)
て何やらん外の用事をして居るゆゑ彦兵衞も
本
(
ほん
)
を
止
(
やめ
)
煙草
(
たばこ
)
を
呑
(
のん
)
で色々咄を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
就中
(
なかんずく
)
「
狒狒
(
ひひ
)
型」「
猩猩
(
しょうじょう
)
型」なぞいうものがありますが、もうこの辺になると、
呑
(
のん
)
だくれの異名か好色漢の
綽名
(
あだな
)
か、又は進化論者が人類侮辱の
刷毛序
(
はけついで
)
につけた
醜名
(
しこな
)
か
鼻の表現
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
俗な奴等だ、呑むなら早く
呑
(
のん
)
で
帰
(
かえっ
)
て
仕舞
(
しま
)
えば
宜
(
い
)
いと思うのに、中々帰らぬ。家は狭くて
居処
(
いどころ
)
もない。
仕方
(
しかた
)
ないから客の呑でる
間
(
あいだ
)
は、私は押入の中に
這入
(
はいっ
)
て寝て居る。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
いふては悪るけれどお前は親不孝子不孝、少しはあの子の行末をも思ふて真人間になつて下され、
御酒
(
ごしゆ
)
を
呑
(
のん
)
で気を晴らすは一
時
(
とき
)
、真から改心して下さらねば心元なく思はれますとて女房打なげくに
にごりえ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
身仕度が終ると家を出て
宵
(
よい
)
の六時まで散歩し六時に外で
中食
(
ちゅうじき
)
を済せ、夫から多くはゲルボアの珈琲館に入り昔友達と珈琲を
呑
(
のん
)
だり
歌牌
(
かるた
)
を仕たりして遅くも夜の十一時には帰て来て
寝床
(
ねどこ
)
に就きました
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
無念を
呑
(
のん
)
で
瞋恚
(
しんい
)
の
炎燄
(
ほむら
)
を吐く折から
鬼桃太郎
(新字新仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
讓り申べしと
聞
(
きゝ
)
て左京は大に
悦
(
よろこ
)
び
然
(
さら
)
ば早々
埓
(
らち
)
明
(
あけ
)
んと立上るを大膳は
暫
(
しば
)
しと
押止
(
おしとゞ
)
め先々待たれよ今宵の仕事は
袋
(
ふくろ
)
の物を取り出すよりも
易
(
やす
)
し
先々
(
まづ/\
)
一
盃
(
ぱい
)
呑
(
のん
)
だ上の事とて是より
酒宴
(
しゆえん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
病の在る所も問わずに唯苦ければもっと
呑
(
のん
)
で
遣
(
や
)
ると云う
位
(
くらい
)
の血気であったに違いはない。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
自分
妾狂
(
めかけぐるい
)
しながら
息子
(
むすこ
)
の
傾城買
(
けいせいがい
)
を
責
(
せむ
)
る人心、あさましき中にも道理ありて、
七
(
しち
)
の所業
誰
(
たれ
)
憎まぬ者なければ、酒
呑
(
のん
)
で居ても
彼奴
(
きゃつ
)
娘の血を
吮
(
す
)
うて居るわと
蔭言
(
かげごと
)
され、
流石
(
さすが
)
の
奸物
(
かんぶつ
)
も
此処
(
ここ
)
面白からず
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
いふては
惡
(
わ
)
るけれどお
前
(
まへ
)
は
親不孝
(
おやふかう
)
子不孝
(
こふかう
)
、
少
(
すこ
)
しは
彼
(
あ
)
の
子
(
こ
)
の
行末
(
ゆくすゑ
)
をも
思
(
おも
)
ふて
眞人間
(
まにんげん
)
になつて
下
(
くだ
)
され、
御酒
(
ごしゆ
)
を
呑
(
のん
)
で
氣
(
き
)
を
晴
(
は
)
らすは一
時
(
とき
)
、
眞
(
しん
)
から
改心
(
かいしん
)
して
下
(
くだ
)
さらねば
心元
(
こゝろもと
)
なく
思
(
おも
)
はれますとて
女房
(
にようぼう
)
打
(
うち
)
なげくに
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「いくら学生だつて、君の様に
金
(
かね
)
に
掛
(
か
)
けると
呑
(
のん
)
気なのが多いだらう」
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
気を呑み声を
呑
(
のん
)
で「鼻」の前に低頭平身する他ありませぬ。
鼻の表現
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
恨
(
うらみ
)
も
憎
(
にくみ
)
も火上の氷、思わず珠運は
鉈
(
なた
)
取落
(
とりおと
)
して、恋の叶わず
思
(
おもい
)
の切れぬを
流石
(
さすが
)
男の男泣き、一声
呑
(
のん
)
で身をもがき、
其儘
(
そのまま
)
ドウと
臥
(
ふ
)
す途端、ガタリと何かの倒るゝ音して天より
出
(
いで
)
しか地より
湧
(
わき
)
しか
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
能
(
よ
)
く世間にある徳行の君子なんて云う学者が、ムヅ/\してシント考えて、他人の
為
(
す
)
ることを悪い/\と心の中で思て不平を
呑
(
のん
)
で居る者があるが、私は人の言行を見て不平もなければ心配もない
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
呑
漢検準1級
部首:⼝
7画
“呑”を含む語句
剣呑
呑込
水呑
湯呑
酒呑
呑口
水呑百姓
吸呑
鵜呑
併呑
乳呑
酒呑童子
呑舟
一呑
茶呑
茶呑茶碗
丸呑
早呑込
湯呑茶碗
呑干
...