“一呑”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひとの75.0%
ひとのみ25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
甚兵衛もそれにはこまりました。なにしろ相手あいて大蛇おろちですもの、へたなことをやれば、こちらが一呑ひとのみにされてしまうばかりです。
人形使い (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
なんでこんなおおきなしろ寝所ねどこなもんか、これはやがて、四こくしゅうはおろか、東海道とうかいどう浜松はままつ小田原おだわらも、一呑ひとのみに併呑へいどんしようとする支度したくじゃないか
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ただ一呑ひとのみ屏風倒びょうぶだおしくずれんずるすさまじさに、剛気ごうき船子ふなこ啊呀あなやと驚き、かいなの力を失うひまに、へさきはくるりと波にひかれて、船はあやうかたぶきぬ。
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かの蕨村子の如き上下三千載の哲學史を一呑ひとのみにしたるやうなる多聞博通の士が斯くまでにハルトマンの無意識哲學を僻典視する所以をおもひて、つひに我惑を解くこと能はず。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)