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一呑
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ひとの
ふりがな文庫
“
一呑
(
ひとの
)” の例文
甚兵衛もそれには
困
(
こま
)
りました。なにしろ
相手
(
あいて
)
は
大蛇
(
おろち
)
ですもの、へたなことをやれば、こちらが
一呑
(
ひとの
)
みにされてしまうばかりです。
人形使い
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
なんでこんな
巨
(
おお
)
きな
城
(
しろ
)
が
寝所
(
ねどこ
)
なもんか、これはやがて、四
国
(
こく
)
九
州
(
しゅう
)
はおろか、
東海道
(
とうかいどう
)
浜松
(
はままつ
)
も
小田原
(
おだわら
)
も、
一呑
(
ひとの
)
みに
併呑
(
へいどん
)
しようとする
支度
(
したく
)
じゃないか
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
海がその蔵する無限のエネルギーに押し立てられて、
沖天
(
ちゅうてん
)
の
勢
(
いきおい
)
を以て陸に向って押しよせる時は、あたかも陸を
一呑
(
ひとの
)
みにするかと思わるるほどである。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
看視人によって自分の病室へ呼び込まれた例の患者は、その看視人が運んで来た一食分を急いで
一呑
(
ひとの
)
みにしてしまうと、それでは満足がゆかずに共同食堂へやって来た。
紅い花
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
「それは駄目だ。いくらわしでも、そんな長い奴を、とても
一呑
(
ひとの
)
みには出来んぞ」
時限爆弾奇譚:――金博士シリーズ・8――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
戴先生は内へ入って往った。内には
桶
(
おけ
)
の胴のような白い
蠎蛇
(
うわばみ
)
がいて、それが
燃盞
(
かわらけ
)
のような両眼を光らし、炎のような舌を出して、戴先生を
一呑
(
ひとの
)
みにしようとするように口を持って来た。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
一時は
放蕩
(
はうたう
)
さへ働けば、一かど芸術がわかるやうに思ひ
上
(
あが
)
つた連中がある。この頃は道義と宗教とを談ずれば、
芭蕉
(
ばせを
)
もレオナルド・ダ・ヴインチも
一呑
(
ひとの
)
みに呑みこみ顔をする連中がある。
雑筆
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
だが、乱軍の中、たれも、知る者はなく、その安否も聞かないうち、またも一群の敵の騎馬兵が、
怒濤
(
どとう
)
の
一呑
(
ひとの
)
みを示してここへ向って来るのを迎えた。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
海嘯
(
つなみ
)
はその
後
(
あと
)
からすぐ
湧起
(
わきおこ
)
って、家も人も
一呑
(
ひとの
)
みにした。
月光の下
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
呑
漢検準1級
部首:⼝
7画
“一”で始まる語句
一
一人
一寸
一言
一時
一昨日
一日
一度
一所
一瞥