“怒濤”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
どとう90.9%
どたう5.5%
おおなみ0.9%
どどう0.9%
ドタウ0.9%
ドトウ0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
男は大股に、私の方から逃げてゆく。心のなかでは、疾風怒濤どとうが吹きつけていながら、生きて境界のちがう差異が私には判って来る。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
吾等われら叫聲さけびごゑたちま怒濤どたうひゞき打消うちけされてしまつたが、たゞる、黒暗々こくあん/\たるはるか/\のおきあたつて、一點いつてん燈光とうくわうピカリ/\。
夜が更けるに従って天候は益〻悪くなって怒濤おおなみのような音を立てて吹雪が車窓へ吹きつけて来た。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
吹雪のえ狂う北日本海の暗い怒濤どどうの陰におびえながら瞬いているようなわびしい漁師町と思えば間違いはない。
生不動 (新字新仮名) / 橘外男(著)
草の花が、どつと怒濤ドタウの寄せるやうに咲き出して、山全体が花原見たやうになつて行く。里の麦は刈り急がれ、田の原は一様に青みわたつて、もうこんなに伸びたか、と驚くほどになる。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
トリツク怒濤ドトウジツタノシキ小波サザナミ、スベテ、コレ、ワガイノチ、シバラクモビテミタイ下心シタゴコロ所為ショイ東京トウキョウノオリンピックテカラニタイ、読者ドクシャソウカトカルクウナズキ、フカキトガメダテ
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)