“小波”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さざなみ82.5%
さゞなみ7.2%
ささなみ6.2%
さゝなみ1.0%
こなみ1.0%
さヾなみ1.0%
サザナミ1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
小波(さざなみ)の上を吹く風の音さえ聞(きこ)えそうに静かな海だった。夜になると、この辺の船は、洋灯をつけていたが、いまもそうなのだろうか。
田舎がえり (新字新仮名) / 林芙美子(著)
誰れ見ねども膝も崩(くづ)さず、時々鬢のほつれに小波(さゞなみ)を打たせて、吐く息の深げなるに、哀れは此處(こゝ)にも漏れずと見ゆ。主は誰(た)ぞ、是れぞ中宮(ちゆうぐう)が曹司横笛なる。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
円形の池を大廻りに、翠(みどり)の水面に小波(ささなみ)立って、二房(ふたふさ)三房(みふさ)、ゆらゆらと藤の浪(なみ)、倒(さかしま)に汀(みぎわ)に映ると見たのが、次第に近(ちかづ)くと三人の婦人であった。
伊勢之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
水底(みづそこ)の其(そ)の缺擂鉢(かけすりばち)、塵芥(ちりあくた)、襤褸切(ぼろぎれ)、釘(くぎ)の折(をれ)などは不殘(のこらず)形(かたち)を消(け)して、蒼(あを)い潮(しほ)を滿々(まん/\)と湛(たゝ)へた溜池(ためいけ)の小波(さゝなみ)の上(うへ)なる家(いへ)は、掃除(さうぢ)をするでもなしに美(うつく)しい。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
風も亦(また)吹き募(つの)って来た。天から降る雪と地に敷く雪とが一つになって、真白(まっしろ)な大浪(おおなみ)小波(こなみ)が到る処に渦を巻いて狂った。其(そ)の凄じい吹雪(ふぶき)の中を、お葉は傘も挿(さ)さずに夢中で駈けた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
あるが中(なか)にも薄色綸子(うすいろりんず)の被布(ひふ)すがたを小波(さヾなみ)の池(いけ)にうつして、緋鯉(ひごひ)に餌(ゑ)をやる弟君(おとヽぎみ)と共(とも)に、餘念(よねん)もなく麩(ふ)をむしりて、自然(しぜん)の笑(ゑ)みに睦(むつ)ましき咡(さヽや)きの浦山(うらやま)しさ
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
トリツク怒濤(ドトウ)、実(ジツ)ハ楽(タノ)シキ小波(サザナミ)、スベテ、コレ、ワガ命(イノチ)、シバラクモ生(イ)キ伸(ノ)ビテミタイ下心(シタゴコロ)ノ所為(ショイ)、東京(トウキョウ)ノオリンピック見(ミ)テカラ死(シ)ニタイ、読者(ドクシャ)ソウカト軽(カル)クウナズキ、深(フカ)キトガメダテ
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)