“さざなみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:サザナミ
語句割合
46.0%
小波46.0%
漣漪3.4%
漣波2.9%
小々波0.6%
0.6%
細波0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
といいきらないうちに奥さんは口許に袖口を持っていってさざなみのように笑った……眼許にはすぎるほどの好意らしいものを見せながら。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
小波さざなみ一つ立っていなかった。じっとみつめていると、伝説にある龍がその底にいて、落ちて来る私を待ち構えているように思われた。
鳥島と裏浜とはあひること僅に数町にすぎず、そのあひだ漣漪さざなみつねに穏かなり、かつ遠浅なれば最も海水浴に適す。
松浦あがた (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
その雪峰の前を流れて居る水は潺々せんせんとして静かに流れ去る。その漣波さざなみに明月が影を宿して居る。その月光がいちいち砕けて実にうるわしき姿を現わして居る。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
しかし底には幾多の幻怪なものが潜んでいる大海のおもてに、可哀らしい小々波さざなみがうねっているように思われますね。
箱のようなきわめて小さな舟を岸から四、五間乗り出して、りをれていた三人の人がいつのまにかいなくなっていた。湖水はさざなみも動かない。
春の潮 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
枝には白きなぎさを掛け、緑に細波さざなみの葉を揃えた、物見の松をそれぞと見るや——松のもとなる据置の腰掛に、長くなって、肱枕ひじまくらして、おもてを半ば中折の帽子で隠して、羽織を畳んで、懐中ふところに入れて
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)