“さゞなみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
55.6%
小波25.9%
漣波7.4%
小浪3.7%
瀲漪3.7%
細波3.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
(國民新聞)讀者の沒理想をたのみて、時文評論を評論ならぬ評論となし、記實となすと聽きて、これに服したるはさゞなみ山人なり。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
湖が金色の針をちりばめたやうに、こまかに小波さゞなみをたててゐる。食堂の奥から油臭い匂ひがたゞよつて来た。夕暮の美しさは、ひとしほ、二人の男に考へ深いものを誘つた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
私邸に起臥しては朝暮衣食いゝしの獄に繋がれ、禁庭に出入しては年月名利のあなに墜ち、小川の水の流るゝ如くに妄想の漣波さゞなみ絶ゆるひまなく、枯野の萱の燃ゆらむやうに煩悩の火燄ほのほ時あつて閃めき
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
こゝろつて、おもはず、ひたつたひざが、うつかり、そでおも掻巻かいまき友染いうぜんれると、白羽二重しろはぶたへ小浪さゞなみが、あをみづのやうにえりにかゝつた。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
白帆の影は長く水に引いてこちらの岸近くまで屆かうとして瀲漪さゞなみに碎かれて居る。余は瓜の甘い汁を啜りながら白帆を見る。汁は口のうちで十分に啜つて種を足もとの草村へ吐き出した。
白甜瓜 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
見よわが行手を遮れる一の流れあり、その細波さゞなみをもて、ふちえ出し草を左に曲げぬ 二五—二七
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)