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さゝなみ
語句 | 割合 |
小波 | 25.0% |
小浪 | 25.0% |
漣 | 25.0% |
細波 | 25.0% |
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水底の
其の
缺擂鉢、
塵芥、
襤褸切、
釘の
折などは
不殘形を
消して、
蒼い
潮を
滿々と
湛へた
溜池の
小波の
上なる
家は、
掃除をするでもなしに
美しい。
背後は
突拔けの
岸で、こゝにも
地と
一面な
水が
蒼く
澄むで、ひた/\と
小波の
畝が
絶えず
間近う
來る。
豐岡から
來る
間、
夕雲の
低迷して
小浪に
浮織の
紋を
敷いた、
漫々たる
練絹に、
汽車の
窓から
手をのばせば、
蘆の
葉越に、
觸ると
搖れさうな
思で
通つた。
サ、サと
音が
聞こえて、うつゝに
蘆間の
漣へ
動いて
行くやうである。
「
小母さん
頂戴な」「
其蟲頂戴な」と
聞くうちに、
蟲は、
美しい
羽も
擴げず、
靜かに、
鷹揚に、そして
輕く
縱に
姿を
捌いて、
水馬が
細波を
駈る
如く、ツツツと
涼傘を、
上へ
梭投げに
衝くと
思ふと