“水底”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
みなそこ49.4%
みなぞこ18.0%
みずそこ13.5%
みづそこ5.6%
ミナゾコ3.4%
すいてい3.4%
すゐてい2.2%
みずぞこ1.1%
みそこ1.1%
みぞこ1.1%
みづぞこ1.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ここにその清きこと、水底みなそこの石一ツ一ツ、影をかさねて、両方の岸の枝ながら、蒼空あおぞらに透くばかり、薄く流るる小川が一条ひとすじ
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
硝子ガラスそとには秋風あきかぜいて、水底みなそこさかなのやうに、さむ/″\とひかつてゐた。
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)
柳の間をもれる日の光が金色こんじきの線を水のうちに射て、澄み渡った水底みなぞこ小砂利じゃりが銀のように碧玉たまのように沈んでいる。
河霧 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
水底みなぞこのようにつめたく青い月の夜で、庭の樹々は心あるものが強いて沈黙を守っているような静けさで、矗々すくすくと空に裸の枝を延ばしていた。
果樹 (新字新仮名) / 水上滝太郎(著)
刑事はうずくまったまま、はるか向うの辻をかしてみた。そこは水底みずそこに沈んだ廃都はいとのように、犬一匹走っていなかった。
疑問の金塊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
彼方かなたに流され此方こなたへ漂いするうちに、いつか気も心もつかれ果て、遂にもろくもまぶたを閉じ水底みずそこ深く沈んで行った。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
川の縁には若樹のうるしが五六本立つてゐて、目も覚める程に熟しきつた色の葉の影が、黄金の牛でも沈んでゐるやうに水底みづそこに映つてゐた。
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
水底みづそこ缺擂鉢かけすりばち塵芥ちりあくた襤褸切ぼろぎれくぎをれなどは不殘のこらずかたちして
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
まるで、カヅきする海女アマ二十尋ハタヒロ三十尋ミソヒロ水底ミナゾコから浮び上つてウソブく様に、深い息の音で、自身明らかに目が覚めた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
水底ミナゾコ水漬ミヅく白玉なる郎女の身は、やがて又、一幹ヒトモトの白い珊瑚サンゴである。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
柳しだるる井のほとりに相対して黙然もくねんとして見るべからざる水底すいていうかがふ年少の男女、そも彼らはたがいの心と心に何をか語り何をか夢見んとするや。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
かれは、水底のコンクリートのへやに逃げこみ、潜航艇で、東京湾へのがれようとしたのですが、潜航艇のキカイが、こわされていることを知り、今はこれまでと、水底すいていのへやによういしてあった、爆薬に火をつけたのです。
宇宙怪人 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
水底すゐていねむつたやうに、面影おもかげばかり澄切すみきつてたのに、——こゝでは、散乱ちりみだれた、三ひら、五ひらのはな
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
早速さつそくかねやとはれた其邊そこら舟子ふなこども幾人いくにんうをの如く水底すゐていくゞつて手にれる石といふ石はこと/″\きしひろあげられた。
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
つまり「つりをしていると、水底みずぞこから、ずっと深く、おぼろに三尺ほどの大きさで、顔が見えて、馬のような顔でもあり、女のような顔でもあった。」と云うのです。
夜釣の怪 (新字新仮名) / 池田輝方(著)
午後六時、あな水底みそこより浮びくる
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ほそ糸ほのかに水底みぞこくさりひける。
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
なんでも、或る晩のこと、ふと、池のほとりにゐる継母を見つけると、彼女は不意に躍りかかつて、喚き声もろとも水のなかへ曳きずりこんでしまつたとさ。ところが、妖女ウェーヂマはさすがに尻尾をみせないや。彼女は水底みづぞこで水死女のひとりに化けてしまつたのだ。