“水底”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
みなそこ50.0%
みなぞこ16.3%
みずそこ15.3%
みづそこ5.1%
すいてい4.1%
ミナゾコ3.1%
すゐてい2.0%
みずぞこ1.0%
みそこ1.0%
みぞこ1.0%
みづぞこ1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と子供の声も黄昏たそがれて水底みなそこのように初秋の夕霧が流れ渡る町々にチラチラとともしびがともるとどこかで三味線の音がかすかに聞え出した。
山の手の子 (新字新仮名) / 水上滝太郎(著)
暗き水底みなぞこ深くにあって、今、悲しくも彼女の甘き愛撫を思い、彼女の名を呼ぼうとしてもがいてその小さな生命いのちを絞り尽している
もうながあいだあななかに、または、ふか水底みずそこねむって、はるのくるのをっていたさかなたちは、ふいにあかるくなったので、びっくりしました。
都会はぜいたくだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
しばらくして、大手筋おほてすぢを、去年きよねん一昨年おととしのまゝらしい、枯蘆かれあしなかつたときは、ぞく水底みづそこんでとほるとふ、どつしりしたものにえた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それよりも水底すいてい雑物ぞうもつの間に、何か舟の仲間への御土産になる様な品物が落ちていないかと、息の続く限り、泥の間を泳ぎ廻っていた。
猟奇の果 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
まるで、カヅきする海女アマ二十尋ハタヒロ三十尋ミソヒロ水底ミナゾコから浮び上つてウソブく様に、深い息の音で、自身明らかに目が覚めた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ふまでもなくうまむちぼく頭上づじやうあられの如くちて來た。早速さつそくかねやとはれた其邊そこら舟子ふなこども幾人いくにんうをの如く水底すゐていくゞつて手にれる石といふ石はこと/″\きしひろあげられた。
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
つまり「つりをしていると、水底みずぞこから、ずっと深く、おぼろに三尺ほどの大きさで、顔が見えて、馬のような顔でもあり、女のような顔でもあった。」
夜釣の怪 (新字新仮名) / 池田輝方(著)
午後六時、あな水底みそこより浮びくる
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ほそ糸ほのかに水底みぞこくさりひける。
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
ところが、妖女ウェーヂマはさすがに尻尾をみせないや。彼女は水底みづぞこで水死女のひとりに化けてしまつたのだ。