“水洟”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
みずばな76.7%
みずっぱな13.3%
みずはな3.3%
みずッぱな1.7%
みづつぱな1.7%
みづはな1.7%
みづばな1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
マ氏、もう酔いざめか、しきりにハンケチで水洟みずばなを拭く。訊いてみると、じつはおとといあたりから風邪をひいていたのだと答える。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おおかたは水洟みずっぱなをすすっているような老人であるのも、そこに移り行く世のすがたが思われて、一種の哀愁を誘い出さぬでもない。
半七捕物帳:54 唐人飴 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
或る日、分けても寒さの厳しい朝のことであったが、伯父の大納言の鼻先から水洟みずはなれているのを見ると、彼はそっと寄って行って
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
長「そういうと豪気ごうぎうちで奢ってるようだが、水洟みずッぱなをまぜてこせえた婆さんの惣菜そうざいよりア旨かろう」
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
鳥打帽子を目深にかぶり、毛糸の襟卷に顎を埋め、背中をまるくしながらしきりに水洟みづつぱなをすゝり込む。川岸に出ると風はなほ更強くなつた。
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
爺さんは水洟みづはなと一緒くたに涙をすゝり込むだ。涙も水洟も目高めだかの泳いでゐる淡水まみづのやうに味が無かつた。
それを見ると却つて可哀相でと、母は切りに水洟みづばなを拭いてゐる。
姉妹 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)