“みずばな”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
水洟90.2%
水涕7.8%
水鼻2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と、女は水洟みずばなをすすると一緒に唇からみ入る涙をぐっとみこんだらしかったが、同時に激しくごほんごほんとせきむせんだ。
母を恋うる記 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
老翁じいや、このへんかい。」と、市郎は立止たちどまってみかえると、七兵衛は水涕みずばなすすりながら進み出た。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
夫の帰った物音に引窓からさす夕闇ゆうやみの光に色のない顔を此方こなたに振向け、油気あぶらけせた庇髪ひさしがみ後毛おくれげをぼうぼうさせ、寒くもないのに水鼻みずばなすすって、ぼんやりした声で、お帰んなさい——。
監獄署の裏 (新字新仮名) / 永井荷風(著)