“夕闇”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ゆうやみ81.4%
ゆふやみ18.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ま夏のじぶんには、それでも、夕闇ゆうやみの中に私のゆかたが白く浮んで、おそろしく目立つような気がして、死ぬるほど当惑いたしました。
灯籠 (新字新仮名) / 太宰治(著)
時雨しぐれの通りこせし後は林のうちしばし明るくなりしが間もなくまた元の夕闇ゆうやみほの暗きありさまとなり、遠方おちかたにてつつの音かすかに聞こえぬ。
わかれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
良寛さんが、長崎の街と湾を見おろす丘の上まで、辿たどりついたときには、空にわづかに夕映が残つてゐて、海には黒く夕闇ゆふやみがしみこんで来る時分であつた。
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
海から二人の間にせまつて来る夕闇ゆふやみの関係もあつて、わたしは妙に自分と娘との間隔を感じる。自分の生活と娘の生活とが別々に平行して居ることを感じる。
愚かな父 (新字旧仮名) / 犬養健(著)