“夕陽”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ゆうひ57.5%
ゆふひ17.0%
せきよう16.0%
せきやう5.7%
いりひ0.9%
ひ0.9%
ゆふやけ0.9%
ユフカゲ0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この黄味(きいろみ)の強い赤い夕陽(ゆうひ)の光に照りつけられて、見渡す人家、堀割、石垣、凡(すべ)ての物の側面は、その角度を鋭く鮮明にしてはいたが
深川の唄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ことに八重の淡紅(うすくれなゐ)に咲けるが、晴れたる日、砂立つるほどの風の急(にはか)に吹き出でたるに、雨霰と夕陽(ゆふひ)さす中を散りたるなど、あはれ深し。
花のいろ/\ (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
この辺(へん)から西方雲煙(うんえん)の表(おもて)に夕陽(せきよう)の残光を受けて立つ日本アルプスの重畳(じゅうじょう)は実に雄麗壮大の眺めであった。濃霧の中を冒して渋温泉へ下る。
且(か)つ其(そ)の乘組(のりく)んだ艦(ふね)の帆柱(ほばしら)に、夕陽(せきやう)の光(ひかり)を浴(あ)びて、一羽(は)雪(ゆき)の如(ごと)き鷹(たか)の來(きた)り留(とま)つた報(はう)を受(う)け取(と)つた時(とき)、連添(つれそ)ふ身(み)の民子(たみこ)は如何(いか)に感(かん)じたらう。
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
世界に著(しる)き澎湃(ほうはい)たる怒濤が死ぬに死なれない多感の詩人の熱悶苦吟に和して悲壮なる死のマーチを奏する間に、あたかも夕陽(いりひ)に反映(てりか)えされて天も水も金色(こんじき)に彩(いろ)どられた午後五時十五分
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
すこしうつむいた発田の青ぐろい横顔に、夕陽(ひ)がななめに射していて、発田の頬は玩具の色の反射で緑色に染っていた。
黄色い日日 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
塚田の画室の窓が、それは海辺の一軒立だつたから、遠くからでも、灯(あかり)が点くと松林の間から眺められた。山の夕陽(ゆふやけ)は、すつかり消えて、松にはさまれた海浜の一筋道が白ツぽく横たはつてゐた。
明るく・暗く (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
島の東岸、箱崎・筒城(キ)の磯には、黒い岩と、灌木の青葉と、風に断(キ)れ/\になつて、木の間に動く日の光りとが、既に、夕陽(ユフカゲ)を催してゐた。
雪の島:熊本利平氏に寄す (新字旧仮名) / 折口信夫(著)